窓辺/泡沫の僕
僕の髪は癖っ毛だ。
手入れもしないから、キューティクルもなくうねり、
絡み、解けることなく、摩耗して千切れる。
だからという訳では無いが、
君のウェーブがかった髪が好きだった。
退屈そうにぼんやりと窓の外を眺めるーー
その横顔も。
今もほら、風に揺れるその髪を
細く白い手でそっと抑えて、
そうして、少し乱れた髪を撫でて整える。
まるで小さな子供をあやすように。
僕の髪とは違う。
艷やかで、その一本ずつが独立した生き物のように
君の横顔にたなびいていた。
戻る 編 削 Point(2)