舟歌 蒼風薫 /
エヴァル−ジュ
そこに子供の姿はなく
大人たちだけが殉ずる化のように
黄葉の輝きが干からびた胎児のごとく打ち捨てられる頃
までの林檎飴の祭りhしつも 日没を知る港にて
時雨れるまでは兆しのない福音と 始まらない紙芝居
ところが金平糖を配る伯母さんがこの夕べ北へ渡って行った
誰からともなく舟歌を口ずさみその刹那だった降り出したとうとう
堰を切ったように海の道から方舟が流れ着く
いくつも いくつも
いくつも いくつも
戻る
編
削
Point
(3)