冬がやってくる/にのまえいつき
 
キンモクセイの香りに
ふと秋に気がつく

ずっと暑いままだと思っていた夏が
いつの間にか終わっていた

季節はいつも
僕を追い越し待ち伏せする
春も
夏も
秋も
そして冬も
僕が気がつかないうちに
やってきては居座る

そしてまた去ってゆくだろう
僕の気がつかないうちに

そしてまた冬の香りが
冷たくて
鼻にツンとした
乾いた香りが

僕の気がつかないうちに
冬がやってくる
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