外殻/泡沫の僕
 
シャワーの滴で皮膚を確かめる。
それが僕と外側の境界だ。

一歩外に出れば、そいつを犯す奴等が無数にいる。
今着けてきたかのような強すぎる香水、
画面に流れる見せつけるような下らない動画。
無遠慮な肘の無秩序な体毛。

込み上げる吐き気も、
鼻息だけの失笑も、
振り払って消し去りたい衝動も。

全てが誰かに奪われたまま、
溶けたまま、揺らされる。
戻る   Point(2)