調律/
りつ
夜が優しく唄うから
目蓋を縫うように
眠りが訪れる
金の雫
銀風鈴の涼やかな音
木々の聲
いずれも影を纏って沈んでゆく
不確かさは予定調和を破り
Aの調律を繰り返す
斜め60度の逆上がり
スローモーションが熱を帯びる
淡く発光しながら泣く海蛍
蒼く揺れ
もう戻れない眠り
高山病にかかったように
浅い呼吸を繰り返す
昨日見た夢を
覚えていない
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