冬の花火(くおん 、あいてぇるぅ)/ひだかたけし
 
斜光射し込む
薄っすら黄の色
染め抜く西門から
白い帰り道の残響
たどりたどり
辿りに付き
決して消えない人影、
決して消さない人影、
踏んで追い越し
踏まれ追い越され
死者と生者の交わり
ぽつんぽつんと

横溢する生命の記録
一見終わった過去が
内なる久遠の
光エーテルを揺蕩い

すきとほる哀しみの決して消えず
 やがて中立 、
エメラルドグリーンへ変容し
しずしずといつしか夢中へと

(青い青いふっさふっさの猫を抱いて
懐く毛並みの見事な金の目ん玉
ぐりぐりしながらネコネコねぇ 、
オマエ一体何処から来たんよ
探し求めている内に
ぽっと他人の敷地に踏み込んで居て)

艷やかな眼頭から涙流すのを
もうぽっとほっと止めさせて

死者と生者の交わりの内に
眼をシッカリと醒ましたら
消えてしまったはずの
とほいとほい自分の家路を辿るのだ

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