聖杯/
ひだかたけし
上弦の月 、
膨らみ帯びつ
円周描く折まで
見えるもの観入り
住む庵の翳り始め
絶えず内に雨降り頻り
濡れそぼり崩れ続け
地に 砕かれる時
煌々と満月 、
陽の光受け取り
抉り出す地の深み
白銀の聖杯と化し
見ずや世の全て澄みわたる
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