しょうめいたん/あらい
大文字になって寝かされ、倒れるように横たわるも
煤けたランプが瞬いている 肉を刻む出口は遠い
開始を告げるアラームもまた鉄骨のした
あかりが 途切れない という 身を 投げて 死ぬ
ハンドルを握りしめ 照明や歓声はあつい幕をへだて
積みあげられた汗は泡だち 鉄柵のよう失奏する
支えよう ゆっくりと吸い込み、ヒグラシがきれる音
潮がひくように空間を描け ゆかり とどかない拍手と
ヨレヨレになった天鵞絨のうらて
襟をぬうように唇をかいがいしく撫で
あけ濡れたレインコートの裾 水がしたたる
すこし外した幻想として立ちあげられる
命令をきかない、駄馬の柱
おもに濁化し
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