目を閉じるまで/泡沫の僕
僕は僕に解けない問題を出して、
髪の毛を掻き毟って、頭を抱えさせる。
たとえばこんな声がする。
「君は誰?」
「どこから来たの?」
「偽物って何?」
「本物はどこにある?」
「君はロマンチシズムとナルシシズムの波をかぶって、
溺れてるだけだ」
その声は嘲笑する。
そうかな?
簡単な真理が王様と乞食で異なることを、
誰もが知っているはずだろう。
僕が読み違えたのは、
本当の答えを間違えているから?
結局、答えがないのなら、
意識を閉じて、目も閉じよう。
そしてそのまま朽ちてしまおう。
そうすれば、悩まなくてすむから。
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