カオルの音 もっぷ/エヴァル−ジュ
梅雨明けて天井青き病床の思い出の空眩いばかり
ご苦労様言えず今日も取りに行き筆名沁みる水曜朝刊
エプロンの空色想う亡き父の得意料理はビーフステーキ
何事も悲しみばかりの日々の中夏空の雲眩いばかり
父さんの命とともに遠のいた助手席はいいナビはダメなの
夢を切る不意に母さん思い出す意味知らぬあなたを思い描く夜
闘病の辛さあなたに決められてあなたを嫌いに足りてる
誰の影も後ろにいない人の世を夏の夕暮れ今だけ隠せ
私は残酷かもしれぬといいし人を思い浮かべつつミステリー読む
夏の夜に『冬の風』なる動画聴き眠れなくなるという『癒し系』
雪国では海
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