誰も知らない(改訂版)/涙(ルイ)
のが関の山だった
増え続ける書類の山
処理仕切れる仕切れないは問題ではない
仕事ができないと思われたくなくて
ただ一心に仕事しただけだった
誰よりも遅くまで残って仕事した
終電を逃すことなんて日常だった
タクシーなんて高くて使えないから
仕方なくトボトボと夜道を歩いて帰った
路上に座り込んでる呑んだくれのサラリーマン
何をするあてどもなく 街を徘徊している少年少女たち
青白い街灯の下に群がる 無数の虫
誰もが居場所を探して
居場所なんてどこにもないと思い知る
ただほんの少し ほんの少し
夜の帳に隠れていたいだけなんだ
たぶん いやきっと
深夜ようやく部屋に
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