全行引用による自伝詩。 08/田中宏輔2
はさながら、もし彼が想像力に富んだ男であったなら、本能に導かれてまっすぐ海へ帰ってゆくうみがめの子になぞらえただろうような、そんなひたむきさを持っていた。
(ハーラン・エリスン『バシリスク』深町真理子訳)
そこでこの最後の映画では山中のストリート・キッドが「ことば」を爆発させ、静かに座る答を待つ沈黙。
(ウィリアム・バロウズ『ソフトマシーン』4、山形浩生・柳下毅一郎訳)
フードをかぶった死人が回転ドアの中で独り言を言う──かつて私だったものは逆回転サウンドトラックだ
(ウィリアム・バロウズ『ソフトマシーン』5、山形浩生・柳下毅一郎訳)
熱い精液が白痴の黒んぼを射精した
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