AIを詩表現に利用することの損得について/室町 礼
詩や歌の背後にいる個性的な人間存在の手触り──
温かさや冷たさ、思考、体験、夢などに触れたいので曳
き網漁業のようにテキストを海の底からさらってきてそ
れをぶちまけて取捨選択総合された詩文には触れたくな
い。できればわたしの前にAIでつくった作品は出さない
で欲しいと個人的には願うほうの人間ですが
一方で
わたしは雑文を書くときAIを辞書代わりに利用していま
す。たとえば昭和初期の日本車はダットサン●●型です
が、この●●がわからないときにAIに質問する。
あるいは「類語辞典」代わりに利用する。手垢のついた
表現がいやなとき類語を調べる。「かれは飛び上がるほ
ど悦んだ」なん
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