AIを詩表現に利用することの損得について/室町 礼
 
ことがうまく表現できない人はAIに救助してもらえ
ばいいかもしれない。

ただ、AIにまかせていては芥川龍之介がいったような
「戯作三昧」の境地は味わえない。
わたしがむかしヘタな小説に集中してたころ、この「戯
作三昧」の夢のような境地に時間を忘れていたことがあ
る。一種の現実離脱、夢の階梯をのぼる手段として、没
入して物語を書くことに夢中だった。作家になりたいな
んて思ったこともないし、だれかに見せて感心させよう
とも思わなかった。ただ自分が作り出し、描く夢の世界
の中に埋没していたかった。そして戯作三昧に入ると何
日も異世界に住んで時間を忘れた。そこから現実世界に

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