わからない、だろうが/あらい
、ないがしろだと知りながら、嵩を増した渚に誘われるまま、時が刻み入れた砂浜に身を屈める。無骨な節(ふし)や件(くだん)の浅瀬で止まった、砂の城。玉手箱、やや重さをまとい、この崩れ蓋のうわさは伏せられている
取り零した語彙はそれから。黙って、人差し指を口もとに添えて
「また行く先の埠頭にすぎません」
対に口をついて出た。本音でもハッタリでも、ああそれで目が覚めて我に返ると、結局濁ったミチを空け、追いかけるように震えながら風を含んだ眼下に、萎縮した松明はいまを知ると
白日のもと、照らしだす算段は。あきらかな岩陰は凍った茂みと手招きし 群れを呼んで。ひかりが 我ながら 踏み躙り
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)