わからない、だろうが/あらい
 
やさしいねといいたい
 寝入りばなにそうするだけの。ありゃ泥棒だぁ殺められた涙袋に。しつけ糸を/くぐす/器に、挨拶は、口にしないで。それで充分で
 やっぱりあれらは天使だったと癒えよう
 おくひらげた遥か遠くの燭台よ、鮮やかに綾なす幽かな水音と、身に着けた紅葉の湯浴みとやら、マア澪(りょう)としていて
(まあ私は拒絶されてない)ところで
 不幸とは跣(はだし)の夢がまざりあうものだろ
 棚に顰(しか)めた躰が内側で起こしたコトバも無防備にひらひらと舞っていった。手のひらに握った瞬間、だからして羽蟻でもどうでも 叩きよ多少、巡り与えることにして。私の湿った感覚をのこす
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