Notes on the Wasteless Land.?/田中宏輔2
ぜられた。そして2月と、各月の第2日がプルトンに献ぜられた。」とある。
第一連・第二一行 ヴァレリーの『我がファウスト』第三幕・第三場に、「何か本がないかしら……。考えないための本が……。」、「何か本が欲しい、自分の声を聞かないための本が……。」(佐藤正彰訳)とある。ふつうは、読むうちに自分のことを忘れてしまうものである。自分のことを忘れるために、と意識して読書するというのは、ふつうではない状況にあるということである。仕事や雑事に多忙な人間ではない。そうとう暇のある人間でなければ、それほど自己に構うことなどできないからである。この連に出てくる女性が、そういった状況にある人間であることは言うま
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