婚活/
泡沫の僕
ああ、もう消えてしまった。
さっきまでここにいた人達は
既に別の人みたいに見えた。
洒落たカーテンで仕切られた空間を
「個室」と呼ぶような居酒屋で
飛び交うのは壮言大語と嘘臭い称賛。
全部嫌いだ。
品定めするような覚めた目も、
退屈を飲み込んだ口から出る「褒めるサ行」も、
僕はと言えば
他のと同じように自分の功績を捲したてた。
嘘大げさ紛らわしく。
ああ、もっと酒を呑まなくちゃ…
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