認識に関する五つ目の欠片を溶くには多過ぎる水の表面に/R
ぷかぷかと
浮かんでいるように見えますか
それは
沈み損ねたのですよ
強風に 微風に
打たれては向きを変え
大波に 小波に
押され引かれ流されて
陽を 月光を 星明かりを水と
様々な形態の水とともに浴びながら
ぷかぷかと
今やその所在を気にすることも久しくなり
時には自由のために喘ぐことがあれども
未だ沈みきるに至らず
ぷかぷか
ぷかり
と
思ったのだ。私はストロビラではあるまいか。
私であって、私ではない私が
いつか受けた風を
いつか受ける水を
ありもしない光を
回想 空想 誤認しているだけではあるまいか。
――液体の分子は動き続けているそうです。気体のよりは穏やかに、固体のよりは雄大に。
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