上手に愛したい/杉原詠二(黒髪)
 
実人生上で
配されたたくさんの構築物
現実の花や草と雲と人
それをみんな見まわしてた
それに取り組もう

必要なことをしよう
目覚ましが鳴ったので起きよう
愛を感じる
愛情を交換したい
涙をこらえて
服を着替えよう

夜のしじまに
響く光の花火
愛を感じているだけ
誰かが警笛を鳴らしても
耳を塞ぐ
見えているからいいんだよ
聞こえなくても

愛の形の星座を作ろう
新しい形を描こう
絵の下手だった自分が
まともに形を描けるようになった
不器用だった自分にさよなら

壊れたらいけないから
そっとささやいて
距離を縮めて
聞こえるように
ささやき声が
ふたりの間でだけ
共有される夜
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