? 夏の妖精 笑いながら 運ぶ風に 身を任せて あなたは走り去ろうとしたが 照りつける陽射し の中にではなく 薄萌木色の林の奥に 手持ち無沙汰な 安堵の水際に 白い足をひたして あなたは香りを とらえようとしたけど 微かに漂うものに 葉はざわめき その密やかさの中に 目を閉じてごらん それは 面影の蛍火のように ほのかに灯り あなたをやさしく包みながら 誘(いざな)っていくのです まばゆい 夏へ [次のページ] 次 グループ"小さな水たまり" 編 削 Point(8)