[378]高橋良幸[2016 04/17 08:12]☆
ける乗客それぞれの「存在」とで、異なるイメージのものに変わっているはずです。迷子側から見た安心を与えてくれる人間の数にも変化があるはずです。しかしそれが詩に明確に現れることなく、淡々と書いてしまっているところも私には頭の中だけで組み立てられているように見えました。その点がもったいないと思いました。<1>で情景描写に寄与していない、と思った理由の一つかもしれません。
そして、一番悪い部分は「言葉を 声を 私は持てただろうか」という自問です。この自問自体が悪いわけでは無いですが、置かれている場所が非常に悪いと思います。なぜなら、ここまで読んできて頭の中だけで組み立てられている印象が強まっているところに置かれているこの自問は、ただ飾りとして置かれていて、本当に自分には問いかけていないように見えてしまうからです。その次の連にある回想がその自問に対する考察を含んだものであればその印象は和らぐのですが、回想で終わっており「安心させるような言葉」もでてこないため、自問が宙に浮いてしまっているように思えました。
以上です。
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