おれは、あんたがたもきっとそうにちがいないが、
おれたちは世界を体験させられている
それを強制というのかどうか知らないが、すくなくともおれは
おれがどうしたいかなんて尋ねられていないはずだ
拒 ....
親も教師も
子どもの気持ちや考えを
ていねいに聴く時間がない
言うことばかりで
聴くという姿勢もない
食わして金を渡しておけば
子どもは満足すると思い込んでいる
自分が
いいと思うことと
ほかの人がいいと思うことは
同じではない
違いを認め合うということは
口で言うほど簡単なことではない
自分のいいことへのこだわりが強い人は
自分がいいと思うこと ....
乾燥肌の娘を皮膚科に連れていく
娘はおでこをひっかき血が出ている
父と母と娘と三人で車に乗って
これが家族だ、と
父は急に気づいてしまう
三人の間に緊密な連携があって
三人の間に消すことの ....
今日君の雛人形が届いた
産まれて間もないころ
まだかすかにしか存在していなかった君が
日々成長することで存在の濃度を増し
この初節句でいよいよ確実に存在する
気体から流体へ
流 ....
だれを望みもしない
だれに望まれなくていい
こんな街のアスファルトだって
こんな寒い日は
ちゃんと凍っていてくれるだろ
そうだ
いつも
ひとりだった
いつも
ひと ....
ゆで玉子さえうまく作れない
ゆで玉子だって立派な料理だ
レシピ集にだって掲載されてる
玉子を殻のままとはいえ茹でるのだから
料理にほかならない
茹でるだけなのにうまくできないって
どうゆう ....
現代貨幣論を理解するのに
コペルニクス的な
発想の転換が必要なことは理解出来る
まさに打ち出の小槌そのものだから
新規国債を発行して
いくら貨幣を流通させても
マネーサプライが過剰になり
....
この裡はとっくに爛れて
痛みのない恋をしている
来ない春
燃え上がるほどの心が残っていない
寒寒と炎が
蒼く上っている
聞いた風な言葉が
ふわふわと漂う
そこには
何の新鮮味も
感動もない
不安すらない
ただただ安心な言葉が
吐き出されては
消えて行く
安心が生活を
つまらなくさせていることに
誰 ....
雪は身じろぎもせず降っていた
無人駅のホームはすでに雪で埋め尽くされ
その明るさはほんのりと
ともし火のように浮かんでいた
ストーブを消し、鍵を閉める
無人駅の除雪番からの帰りしな
積 ....
{引用=冬の髪の匂い}
雪の横顔には陰影がある
鳥は光の罠に気付かずに
恐れつつ魅せられる
歌声はとけて微かな塵
雪はいつも瞑ったまま
推し測れない沈黙は沈黙のまま
やがてとけ
かつて ....
満たされていないが
嘆いていない
それが日本人の既定値
プラスかマイナスに
設定を変えることができる
満たされているが
嘆いているにもできる
表示は変わっても
反映されているの ....
冷えきった
孤独が敷き布団の上で
待機する
砕けた空、深夜の悪夢
見知らぬ人が出入りして
青みを帯びた夜の溶解は
哀しみの渦に霧散し
見知らぬ人が
心の廃墟を弄んでいる
やが ....
血のつながりを絶対化していた時代は
過ぎ去った!
跡取りもいなくなった!
また、一時期愛が血に取って代わろうとしたが
幻想に終わった!
今は家族は
何でつながっているのだろうか
お金だろ ....
僕はあとどのくらい生きるのだろうか
どんな死にかたをするのだろうか
病死だろうか事故死だろうか
それとも災害死だろうか
いざというときには
できるだけ苦しまないで死にたいなあ!
いろんな人 ....
新しい家
お洒落な家
そう書かれたチラシ
建売住宅のチラシが多い
似たような家ばかり
私の好きな家
イメージにあった
建売住宅は見つからない
私のイメージを形にしたい
心 ....
ほんとうは、
雪なんて、
みないのです。
清らかに美しい高い塔は
黙っている言葉のなかにあります。
死、は、静かな影絵
少年の高さの目線に
綺麗に並べられています。
....
男よ、
戦う運命のしもべよ、
と南公園ではっきりと聴いた
神さまみたいなかたの声。
神さまみたいなかた、って、
もしかして、お馬ァ鹿ァ〜?
あたし、おんな、だってぇーの!
....
誰もが寝静まった頃に目覚めて
なにも知らない深夜を想う
遠く漁り火が燃え
家族の団らんを照らして
消えいくものの虚脱を誘う
みな失い命さえ危うく
それでも残っていくものは何かと問い
虚無 ....
爪弾く指は
同じところを行ったり来たり
そのくせしばらく経つと
悲しみを言い当てる
もどかしさの中に
光とどまる
存分に
やさしくなるといい
それは権利
そして好 ....
これも
みんなのおかげ
ありがとうさま
にじむ星へ
ほほ笑み零す
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
私は小鬼
でもいたずらは
しない
そのかわりに
「ありがとう」と言う
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
夕暮れのざらつく人恋しさに飛び立つ平らなコウモリ
あまりあてにせずに
待つはずの
きみ
裸足の猫は垣根に消えた
せんべい布団に横たわり
断雲を眺め
さまようなにかの羽が最 ....
結膜炎だろう、
白目が赤目になっていやがる
おかげで目やにがまつ毛にこびりつきやがって
目は眼帯、
口はマスク
いったいなんなんだ
疫病退散もない
一日遅れの恵方巻でも喰うか
....
太陽のように
強く燃えている
生きることは
力むことではない
輝くこと
つらつらと つららのことをおもってみていた
軒先に根をはやし
重力に逆らいながらも
きりりと尖ってうつくしい
冬がこしらえた期間限定のその造形は
猫とじゃれたあと
うつらうつらしているうち ....
晴れた日に
息子と二人で海を見にゆく
私の背などとうに追い越して
何食わぬ顔をして
乱反射する水面の光を
キラキラと浴びているやつだ
いつの間にか
通過する季節を跨いできたね
海に突き ....
心の支柱はプライド
お年寄りの自慢話は
たとえ繰り返し聞かされた話でも
しっかり聞きましょう
うちの親父も家のなかに
農業関係の表彰状や感謝状を
いっぱい飾っていた
あれが心の支柱、プラ ....
「おはよう!」というと
「おはよう!」とこたえる
「おはようございます!」というと
「おはようございます!」とこたえる
「お帰り!」というと
「お帰り!」とこたえる
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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