かくれんぼでもないのに
おしいれに入る

大人になった僕だって
泣きたい日はあるから
おしいれに入る

布団の柔らかい重み
心地よい苦しさ

そのうち僕は
安心して眠ってしまう
 ....
なにかを
忘れている
ようなこの夜に
なにかが
湧いて来る
ようなこの夜に
向かいの家の台所の
橙色のランプが点いて
それが仄かに懐かしい
光跡を辺りに散らしている

なにかを
 ....
肯定も否定もされず
曖昧な「いいと思うよ」で
ぬるま湯の中
認められも許されもしないまま
漂い続けている
たぶんこれからもそんな予感

時代
といってしまえばそれまでだが
世代
 ....
例えばフィンセント・ファン・ゴッホが
生前に一枚の絵も売れなかったように
カフカのように

俺の才能は凄すぎて
現世に生きる二流三流どもには
上手く把握しきれないだけだ

ゴッホの ....
咲きこぼれそうな花びらをもちあげて
そっと水を遣る
眠たい 明け方に
僕ができることは あんまり多くない

迷い込んだ虫を外へ出してやる
今日に似合う歌を選ぶ
まだ眠る君の
は ....
優しさ
愛しさ
立ち枯れ

崩壊

加速

希望
願望
現実


掌中
海賊は正規軍には勝てない
どんなに強くても
強い海賊が正規軍に登用されて
さらに強くなる場合もある

昔のカリブ海では

中国では上下ひっくり返ることも
ままあったようなので
その限 ....
満足なんて私は知らなかったわ
満足なんて僕も知らなかった
メールサービス、種が厄介な庭の花
酒がこれ以上なく注がれたコップ
おいで、おいで
僕の可愛い憂鬱

また指に刺さったよ
細 ....
無音 寂しさ あけた窓

網戸を通りくる

ひんやりと 爽やかな毒

いつ終わるのだ この

淡々と浅はかな枠の占有

急かされるように いや 

急かされたせいにして 席を空 ....
二〇一六年六月一日 「隣の部屋の男たち」


 お隣。男同士で住んでらっしゃるのだけれど、会話がゲイじゃないのだ。なんなのだろう。二人で部屋代を折半する節約家だろうか。香港だったか、台湾では、同 ....
ボクが唄う北海道のご当地ソング
「じゃがいもの唄」は
「お座敷小唄」の替え歌だ

野外フェスに出演した時に
アイリッシュ音楽を演奏していた
アイルランド人が
流暢な日本語で話しかけてきた ....
わたしの苦しみは
わたしの苦しみ
あなたには体験できない

あなたの苦しみは
あなたの苦しみ
わたしには体験できない

この世界の美しさは
この世界という美しさ
わたし達は体験でき ....
夜を埋め尽くす雨音、夢は断続的に切り取られ、現実は枕の塵と同じだけの…薄っぺらい欠片となって息も絶え絶えだった、寝床の中で、やがてやって来るはずの睡魔を待ちながら、もう数時間が経っていた、かまわな .... 先程から僕は、みんな、いまいまの人生を(お)もって、
そこに如かれるものでして
わたしたちはことに意味を与えすぎました。
喪服のアナウンサーが週末を締め括るぐあいに

雁字搦めに作用した力点 ....
外野を抜けた白球を追って走る
走者が一掃して
試合が終了しても
ひたすら追いかける
悲しみも寂しさも
ただの退屈だった
人の形を失っていく
それでも最後の一ミリまで走る
(午前7: ....
鏡を覗いたら顔が写った
誰かと思ったら自分だった

鏡を嫌ってたから
滅多に覗かない私は
よく自分の顔を忘れてしまう

だけど
他人の目の鏡には私の間抜けな顔が写って
しまうのだ
 ....
神楽坂から平井まで
定期を買って通勤してた

神楽坂下、艶やかな夜
お先に失礼して
飯田橋から黄色い電車で
平井まで、カタンコトン

恋人と暮らす川の町で
アサガオの紫を見ました
 ....
カップ麺とパンと珈琲のわたしの荒い解像度
アルコールと肉とスナック菓子の同僚のサイフと体を思う
半年前に店員のおじさんは割引の始まりを教えてくれた
甲高い声で客と掛け合ったパートのおばさ ....
自閉症の息子に
アレクサで好きな曲を
リクエストしろと言ったら
オジーのMr.クロウリーだと言った

ランディ・ローズの
悲しげなギターソロが
心の琴線に触れたのだろうか?

俺は嬉 ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
開く ....
ビールを飲めば
ハットトリックを決められた
リカーショップで買った
日本酒には
一本だけ買うなと記されていて
無礼にびくびくする私が居た
肉だけを食べてニイニイ(兄)は去って行く
私は二 ....
新築の家のリビングの壁を少年は金属バットで
ボコボコにした

家庭内暴力の嵐は始末が悪すぎて手に負えない
父親は少年の家庭内暴力を見ないふりをした
逃げたのだ
母親は直接的な被害者になって ....
俺の地獄みたいな乾きを
お前が癒せるとでも言うのか?

お前は誰だよ
俺の事なんか何も知らないくせに

けれども間違っているのは当然俺の方だ
こんな奴にわざわざ気を割いてくれる
そ ....
僕の影は僕本体よりも薄く華奢で、か細く切ない少年のように。
薄曇りの午後には一層、彼は薄く透け、あちらへ消え入りそうに。
猫のように見上げる
空のまだらを
鳥に擬態した
ひとつの叫びが
紙のように顔もなく
虚空をかきむしる

骨の海から引き揚げた
もつれた糸のかたまりを
自分の鼓膜にしか響かない声を持つ ....
原発事故が起きたのは人災で
海にひどいなと思う

原発事故の処理水海洋放出は
海にひどいなと思う

それでも変わらず恵を与える
海は大きいなと思う
特に予定はない
何もない休日

雨降りだけど静か
鬱陶しさはなくて静か
自分の奥深くに触れそう

湿気が身体を触る
ジメジメがまとわりつく

あまり悩みはない
もしもたくさんあっ ....
子供の頃
隣家の製麺工場は水車が動力源だった
製麺工場は夫婦だけで営まれていた小さな工場

水は川から引かれていた
私の産まれ育った家は貧相で粗末な藁葺屋根の家だった
家の僅かな庭の前には ....
誰もいない部屋の
片隅にある写真
女は若く
俺も若い
確かに1/4世紀過ぎたのだ

時間は相対的だというのが
本当ならば
俺の時間は長い
砂丘で作った巨大な砂時計

夭折した者た ....
 クジラの胃の中で溶け始めたような、そんな朝だった。朝になりきれない重い空気の中、歩き出す。歩くことに違和感はないが、いたるところが錆びついている気がする。明るい材料は特にないんだ。アスファルトの凹ん ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
おしいれTwoRiv...9*21/5/24 21:22
ランプひだかたけし521/5/24 20:35
若者時代世代komase...2*21/5/24 19:38
来いロシナンテTAT321/5/24 15:32
明け方にはるな721/5/24 14:32
不惑ヨロシク121/5/24 8:12
昔、カリブでりゅうさん221/5/24 6:01
おいで、ぼくのかわいい憂鬱竜門勇気2*21/5/24 3:34
寂しい夜短角牛2*21/5/24 1:13
詩の日めくり 二〇一六年六月一日─三十一日田中宏輔14*21/5/24 0:08
小さく笑った思い出板谷みきょう1*21/5/23 23:33
分かっていることひだかたけし4*21/5/23 22:52
神経組織の夢ホロウ・シカ...3*21/5/23 21:16
しについてあらい121/5/23 19:07
つぶやかない(四)たもつ1321/5/23 9:07
愚か者に喝采をこたきひろし521/5/23 5:28
神楽坂から平井までうめバア621/5/23 3:23
LIFE津煙保存5*21/5/23 0:10
良いものは良い花形新次221/5/22 22:26
ハレル(再録)ひだかたけし721/5/22 22:19
二十歳とハットトリック間村長621/5/22 21:48
汚物の堆積こたきひろし221/5/22 20:33
些末な話TAT2*21/5/22 14:01
クーヘン2*21/5/22 13:53
安息日に詩を書くことは許されるかただのみきや10*21/5/22 13:52
海にひどいな大きいなイオン1*21/5/22 12:06
雨降りの休日夏川ゆう321/5/22 10:10
からからと回る風車こたきひろし421/5/22 8:16
ユスリカ花形新次2+*21/5/22 8:08
藤の花山人16*21/5/22 7:05

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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