口角を上げろ
目尻も下げておけ
腹立たしいか
口角を上げろ
惨めで憎いか
口角を上げろ
眉間の皺より笑い皺
形だけでも構わないから
心は後からついてくる
きっと
富山からの
産直クール便
白い箱いっぱいに
紅ズワイガニが二杯
ハサミをおとなしく組み
脚をきれいに畳んで
小さな目はうつろ
見事ね ほめて
夕方には食卓へ
甲羅から味噌を
....
何を見ているのか
何も見ていない
何かが見えるのか
何も見えていない
何を見ようとしているのか
何も見ようとしていない
何よりまず、距離感が掴めない
だから、結局のところ、
見えている ....
カレーの匂いを頼りにして地球に生まれた。
給食の大食缶めがけて、僕はお昼に生まれた。
意思のない言葉が飛び交う中で
自分の発した言葉をかみしめる
交差点も曲がれない
直進すら迷ってしまう
手から離れた風船のように
行き先のない言葉がさまよ ....
荷台に何かを載せている
どこからともなくやってくる
毎日毎日
誰もその顔を見たことがない
どこかで誰かが祈っている
毎日毎日
中身は何かわからない
目の前を通りすぎて行くだけ
....
数十年に一度の強烈な台風が通り過ぎた
当然のように数十年に一度の甚大な被害が出た
でも熟れた木の実を一番落とすのは時間
もっとも多く人を殺すのも時間
点線のように
切り取られない
その形をまだ
誰も知らないの
下書きみたいな
心をはみ出し
飛び回る日は
また別行動だ
何よりも高い
場所から見ている
小さな買い物
大 ....
地球はお饅頭
地球外星人がやってきて
その超高度な文明の力で二つに割った
「パパあたしに半分ちょうだい」
分かったあげるよ
だけど娘よ
マグマが垂れるから
やけどしないように
夜中に蚊が飛んでウルサイヨ
殺してやる
近づいてくると
スマホの明かりをたよりに
何度もはたき殺そうとしたけど
無理
あっ
蚊が嫁さんの顔に止まった
血を吸っている
隙あり
そ ....
母親の産道をやっとの思いで通り抜けた
力んで力んで激しい痛みに耐えてくれた
母さん
私は産声をあげた
「おめでとうございます。元気なおんなの子です」
私を取り上げてくれた助産婦さん
....
いまから僕が歌う
数分間のテノールのアリアで
必ずあなたを振り向かせる
そして、ソプラノの返し歌
あなたからのアリアをもらう
さっき出会ったばかり
それなのに僕はもうあなたに
心を ....
さよならは綺麗だったね。
少し季節がおとなになるような、私達にだけ吹く風だったね。
だけどそんな風を、私は知りたくなかったよ。
美しく物語めいたさよならなんか、別れとの出会いなんかいらない。
....
そそくさと駐車場へと向かう脚、
そそくさと駐車場から向かう脚、
終わりかけの短い休憩時間と、始まったばかりの長い休憩時間が、
ちょうど低い丘の上にある玄関先の広い石段ですれ違うとき、
ちょうど ....
ジェラシーのベーキング?
押しつけがましくならないようにと
出来るだけ削ぎ落としたつもりで
膨らんでしまうもの
必死に抑えながら
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私もしょせん凡百のパン屋の男に ....
さいごの蜻蛉がいきをひきとった
かえりはくらい溜息で
宙返りする雲がふくらんで
そしておんなになったと囃したてる
くちびるはたくさんの蔦がからまるから
目のむきだけでゆくさきを伝 ....
牡牛座系の眼鏡屋で
雨乞いの踊りに興じていたら
タコ川タコ太さんがやってきて
山梨県の喫茶店に連れて行かれたんです
そして、8年前に見かけたタニシについて僕が語っていると
タコ太さんが涙 ....
いつか天使に
羽根が翼になるように
そうなればと
天使に恋をした妖精は
こっそり見つめてる
天使の鈴が咲いたら
たくさん届けよう
綺麗な鈴の音をぶら下げて
クリスマスの ....
凍るように広がる
冬の夜空は海のようで
東から西へ流れる月はクラゲ
夜光虫を集めたプレアデス
今夜も編んでるあなたへ
羊は身体を差し出して言う
私の毛をどうぞと
温かな夢を編んで ....
小さな歩幅で駆けてくる
足を踏み外して
天の川へ落ちていく
尻尾を立て泳いで渡る
岸の向こうで待っているのは
シリウスの瞳のおおいぬ座
プロキオンはこいぬ座の魂
白く小さくひ ....
花が散った後の
道を誰かと
走ることでまた
輪になる自転車
舞い上がる
蝶のような
羽根をした
春の証に
触れてみたかった
祈りの日を忘れた
僕たちは
地球と目が合う
....
あの柔らかな爪
あの柔らかな腰
あの柔らかな産毛
匂いを嗅ぐと 痺れてしまう
疲れた顔を見て 逸らせなくなる
俺の硬い指
俺の硬い肩
俺の硬い視線
当たってしまえば 裂けて ....
ひとはそれぞれに
生き方や経験だけが醸し出す
そのひとだけの香りを漂わせる
堤防決壊の原因を説明する
専門家の話は
誰が聴いても納得できるものだ
ボトルネックとかバックウォーターとか
蛇行の外側に加わる遠心力とか....
こんな簡単な ....
ラグビーボール、さつま芋、焼き芋たべたいな。
大学芋もいいし、スイートポ、あ、トライ見逃した。
優しさだけがある人のなかに 太陽がおちて 夕焼けが終わった
冬の空より退屈な人ね
ひなた雨がいう
そういう雨も そうとうに退屈なかおをしていて おれも ついおおきなあくびをした
....
海を見ている心に近付く
波が削るのは
まだ温かく濡れる予定のない
明日を生きる力 前借りをした
歩きながら拾う貝殻の色
いつもより綺麗に映る鏡だ
プリズムみたいに反射する笑顔
海 ....
生温き句捻らむかと風の夜
私達は私達の進むべき道を
そんなこと判ってるのに
判っているのにどうして
こんなにも無為に時を過ごすのだろう
また、それを慈しむかのように
それも ....
心に広がる空
心に流れる雲
その下に
広がる原野を
みつめていた
聞こえてくる風の音に
耳を傾けていた
死んだ父親
と
死んだ母親
そして
死んだ姉二人
風の音 ....
上司に怒られていても
映画で泣いてしまっても
ボーナスがでても
公園でタバコが吸えなくても
どうってことはないんだけど
胸の大きな女を抱いている時
ゲームで負け続けている時
心臓とは ....
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