ゆったり周りながら 土星が帰ってきて
きらきら揺れる 環が合図のように
ほら、そろそろ生まれ変わらなきゃと
僕の靴紐を 流れ星が引っ掛けて
解いていった
踏み外した先で
....
ねむたい灯りのすべてにいちいち
湿度や数や記号がついている
おもえば ずうっとまえ
まぶたがまだ無かったころから
ふえることが課題だった
ふえ、進むこと
まだいくらでも捨てるものが ....
浅瀬に住めない深海魚
空を飛ぼうとするにわとり
青い空
ボロい外車とパンクな少女
乾いた匂い
空に浮かんだ石の城
読み手を失くした物語
沖を行 ....
真面目さの欠片もない
承認願望だけは
めったやたらと強くて
表面上は善人気取りだが
痛いところを突かれた途端
とんでもなく下品な
暴言を吐き散らかすか
冷静を装いながら
薄っぺらい ....
スポットライトに
目が疲れると
瞬きの回数が
増えていく
それを誰かが
ウインクと間違え
夜のギターケースの中で
待ち合わせるような
約束をする
赤いビロードが
レ ....
重たいドアを開けると
花瓶がひとつ
テーブルの上に置かれていて
「ここですべてがわかります」
一言だけの手紙に添えられていた
最寄り駅からの地図と鍵
逆光に照らされた
椅子に腰掛 ....
背中を向けたまま返事をしたのは
嫌われた方がいいと思ったから
勝手な男だと怒っているだろう
そのうち忘れてくれたらいい
惚れた女を幸せにするための方法が
これ以外に思いつかなかったんだ
....
。。ここに1枚の詩がある
始まりはこうだ
『猫がきれいに死んでいた。死骸を処理するしかるべき所に電話をかけたが呼出音が鳴り続けるだけ』
。。魂とかあるの?、、。いや、猫ではなく。
1枚の詩を書 ....
土地勘のなさを自覚し
不安を覚える異国の街で
冷たい風にさらされ
笑顔に救われる
三叉路に惑わされ
方向感覚を失い
坂道に押されて
またもや溜息をつく
夕闇に空腹が響きを成し
....
亀の剝製が飾ってある床の間
ゆらゆらと海面を漂い
首を一突きにされた
甲羅は磨きに磨かれている
見事な輝き
太平洋の夜は蒼い
恋するように
旅に出る
夢のスエード
抱きしめると
....
羽
とんぼが旗竿の先にとまつてゐる。
セルロイドのやうな羽の一枚が、半分切れてゐる。
緑の縞の入つた黒い胴を一定のリズムで上下させ、三枚半の羽を震はせながら、とんぼは ....
一日一日確実に年を取っていく
死のゴールへと近づく
こんなに怖いことはない
鏡がくすんで歪んでる
そんな心持ちでは
何を見ても聞いても意味がないし
そうやって何でも言葉にするのも
間違ってる
間違っている
こんな風に
今日の俺もひどい顔で
....
みかんやりんご、お菓子にパン。
半分こするとき、母は大きい方をくれる。
大きい方をもらって喜ぶ時期を過ぎたころ。
冷たい清水がつと胸の奥に流れて、ほろりと目からこぼれ落ちそうにな ....
パジャマ姿で病室に眠る
その腕を繋ぐ点滴のリズム
どこかで落とした涙のように
揺れるカーテンを眺めて思う
向こうの世界へ飛び出す身体に
大きな羽根を与えてくれないか
お弁当箱にしま ....
お互い地味な性格ですから、ベーシックなものでいいんです、目の前に広げられたデザインの贅を凝らした指輪たちに違和を感じ、一番単純なものを選ぶ、そんな僕たちは本当によく似ている、歳を取ってからも着けるもの ....
僕はタイのドミトリーにいたのだった
蒸し暑い階段を登る時に思う 僕は 今 タイだ
事前に予約しておいたベッドに案内された
白いシーツに横たわると そこに 四角い窓
僕はそして風の入 ....
毎日見ている通りの街並み
その変化に気づいていない
今の景色を目蓋のシャッターで留め置いて
昔の景色を見るチャンスがあったら気づく
こんなに変化しているのに
....
三二年前に閉鎖された農場の入口、丸太と有刺鉄線の簡素な門の前で、余所者の娘がぼんやりと空を見上げていた、マーゴ・ヘミングウェイみたいな髪型で、痩せぎすののっぽだった、ちょっと引くぐらいどぎつい ....
緑色の葉物4枚差し
ネットでの写真サークルは 初飛行
進路も省みず 飛び急ぎ 無我夢中で空撮 投稿の巡航
嵐の真っ黒い 積乱雲へまっしぐら
突然 管制官からの警告 ルール違反の厳しいコメント
進路変更の為 ....
ふわっと骨が溶けた 蒸発する
瞬間みたいな音がした
弦だ
何を語り何で存在するのか愛さないと獲れない
司り
小僧の奏でられるキザな姿
美少年の枠の先端に陰りを静けさ満ちて ....
本棚に何冊かの聖書がある
俺は幸せになったのか
キリスト教はご利益宗教ではない
ならば洗礼を受けて
生きてきたことも良かったのだろう
ただ茨の道であったことは確かである
ひんがしのくにのね 群らない夜は
だれもか大勢の中で たったひとり
回遊魚のように 周回する深夜バス
満員なのに みんな たったひとりきり
だれもが どろりととけた目をして
混雑した車内 ....
水を
飲み干す
と
きれいに
戻れるの
過去は
穢されて
きれいは
きえはてて
水を
飲み干す
と
涙も
流れるの
過去の
ゆるせない
じぶんも ....
言葉が見当たりません
気分も沈みっぱなしで
なにを綴ったら良いか
ただもう独りでいたい
さみしいし
変わり者になってしまいますが
そう決めました
ここまで生きてきたのだから
あとは ....
〈
私は詩人ではない。
詩人としての体位に既に私はない。
あの時
ある一葉の詩を見て、詩を書き重ねて、重ねては消して、そしてやっと見つけたある意味での「答え」をネットの詩投稿掲示板 ....
○「郵便局にて」
郵便局に行って
「封書今62円ですよね」といったら
「いえ、82円です」といわれた
封書を見たら82円の切手をちゃんと貼ってあった
なぜ62円と言ったのだろう
○「深 ....
旅にあって
飲めない酒を飲んだ
目の前にひらける黒い雲
灰褐色の光
酩酊船
嵐
錨の切れたラテン帆の船
波頭
眩暈
眩暈。
いつしか、酔うのは私なのか
それとも船なの ....
キッチンにて
大きな柿を4等分に切り分けて
手づかみで頬張り
私は猿になる
風が匂い
そのまま森林から抜け出す
あたたかい草原で転んだ
目の前に
健気に花が咲いていた
それは美しい
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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