空洞の目から
風景を吸い
真横に向く耳から
音を吸い
手も足も無く
がらんどうの体で立つヒト
薄く口を開き
遥かな命の記憶について
旅人の僕に
今にも〝何か〟言いそうだ ....
藍ではない
紺でもない
空いろ は何色と
云うのだろうか
水いろ と云うのだろうか
それとも 海いろというだろうか
早苗月 は 寡黙である
列車の 過ぎる音もない
....
小さな、と言う表現は
縮こまってしまいそうな印象も受けるけれど
リトルマーメイド そう書けば
何だか 可愛らしさまで 浮かぶ
ぷちっ と 可愛らしい透明模様を描いた円を
少しずつ ....
○「クールビズ」
「おい、ノーパンはやり過ぎだろう!」
「課長、それセクハラですよ!」
今や女天国だ!
○「幸せ」
愛は目に見えないもの
幸せは目に見えないもの
空気のようなもの
....
それを魔女という、あたしは正しい。
それを人柄というんだろうか?
やることにそつがないんじゃないんだ。
やることに一生懸命なんだ。
それが見て取れる、すべての行いに。
とても器用 ....
静まるベット 無機質な部屋で
朝も夜も関係のない1日
しばらくして起きたきみは
ふれているのに とおいの
とつぶやいた
僕はわかるよと 返しておいた
きみ ....
からんころん
汗のかいたグラスから、人差し指はねて
眩んだ足元にこぼれた梅のお酒
冷たい床は、春の忘れものさえ 冷やしてゆく
外は雨だった
ぽくぽく と こころが桜の花びらで埋まる
....
ゆらゆら舞う はなびら ひとつ
音を立てて溶けるグラスの氷 ふたつ
いそぎすぎて ひとつ汗を拭う
グラスの汗を指でなぞって ふたつの指がふれる
始まりの合図の さくらと ....
どんな微妙な色づかいでも
突き詰めると
三色になるらしい
あか 青 黄色だったか
突き詰めると
案外
簡単だったりするんだね、
と
ウンチクするには
それで十分
好 ....
この古びた階段を登ってゆけば
あの宙空が待つだろう
*
何処までも細く真っすぐな緑色の道
私がどんな哀しみに{ルビ歪=ゆが}んでも
あの空は
この胸に結んだ
ひとすじの糸を ....
あなたがきて
雨がふった
かなしくはない
幸せでもない
木がゆれた
日が落ちる
あたりがくらくなる
街のかげが 夜になっていく
....
その途中で
錆びた窓は停まった
おおきな 古い瓦屋
やすでたちは疲労のように
みている
その途中で
砂埃は窓の面から
私たちの瞳に ....
花でもない なんでもない 碧き苔
土に落ち
ひっそりと咲く
世に咲く何ものであっても
わずかに命をたたえ
一瞬の音が残される
今朝は雨だった
乙女のような爪の軒先に
....
CATVの24時間ニュースチャンネルを
リアルタイムで
最初から最後まで見ていた俺としては
日大の司会者に激しく同情する
(てめえ、ヒマジンだって笑いやがったら
殺すからな!)
マスコ ....
ワイングラスのうつろのなかで
ひらひら泳ぐは真っ赤な金魚
君がぱららとこぼす言葉を
一生懸命ぱくぱくひろう
うすい硝子をへだてた君は
赤い私しか知らないでしょう
ほんとうは君の腕のなかでな ....
春の終わりにね
あの空洞は何だろう
がらんとして
そこだけ日があたっている
ひだまりだ
こもれびの下で
豹斑のように揺れている
あの光の向こうはね
きっと極楽浄土だろう
光のかけ ....
ぐるりぐるりと転回する部屋で
私は少しずつ分解していく
痛みは窓にへばりつき
記憶は本の隙間に潜り込み
眼差しは水蒸気となり
哀しみはテーブルの上を滑ってゆく
残された私の 透き通 ....
ふわふわしている きみ と
ふわふわしていない ぼくが
同じ にんげん であることが
ふとふしぎになるので
ぼくとは異なる きみ という にんげん を
観察してみようとおもう
....
三角の家に屋根がないのは
甘い香りを街へ届けるため
少年少女が遥かな距離を行く
原宿はまるで歩行者天国
行列のできるパラソルの下で
肩を寄せ合ってクレープを選び
唇でめくる小説のよ ....
水無月:おかえりだけで埋まってゆく
二年振りに帰ったときには通夜はもう始まっとった
大往生や、ええ顔しとるやろ、せやな
いう声が ぽつぽつと
わしはなんでか涙もでえへん
ここ何年も口 ....
屁の音ほど
他人を不愉快にし
本人を愉快にするものはない
朝早くからワイフが
「プー!プー!」
やっている
2度目の心臓の手術をして退院する時に
「先生,3度目はあるでしょうか?」
と尋ねたら
「わかりません,あったらあったで
その時に考えましょう」
という返事だった
みょうにすとんと心に落ちる ....
波打ち際で
傾いたままの計測器
どこからか
聞こえくるうた
鉄で覆われた窓を
灯の音が滑る
陽の前の静けさ
終わり はじまる静けさ
棘の上の
小さ ....
晴れた日の鎌倉は
緑の木々の間に立つ
お墓さえ
明るく見える
あの日、体を脱いだ君は
いつから
若葉をそよぐ
風になったろうか
何処かで鳥が鳴いている
それは円い空から
鎌 ....
この部屋の窓外に
まっすぐ上りゆく
街路樹の坂が見える
いつか旅した函館の風景
のようで
ここは都内だ
今日もこの街で
人々は語らい
キッチンの皿は音を立て
車は行き交うだろ ....
発せられた状況を
無視して
言葉を捉えると
とんでもない間違いを犯す
例えば
ボクシングの試合前に
「殺すつもりでやって来い」
とセコンドが発破をかけることは
よくあることだが
だか ....
流れ星、眺めながら、祈れれば、
たったひとつの願い事も叶うかもしれない。
喋らない舌なんて、いらないとか、言うな。
人が喋れない動物であったときもあるのだから。
本を読める ....
白樺からか
ハンノキムシ
熱で磨いた色味して
降って来た
フロントガラスの向こう
鈍い光を投げ返し
ひとつ
ふたつ
みっつ
涙の粒
星を深く沈めた
夜を ....
山口容疑者、じゃない
元メンバーも潔く
ジャニーにやれと言われたが
拒否出来なかった自分が悪い
と言えば
「どうしてなかなか立派な青年じゃないか」
とか
「彼の将来を考えてあげよう」
....
制服のスカートが燃やされて
プリーツを失くした黒い籠に
君という青い鳥が止まった
灰色の煙に巻かれた空は
タバコのせいで暗くなったのだと
先生に告げるつもりなどない
格好悪い所を見 ....
1073 1074 1075 1076 1077 1078 1079 1080 1081 1082 1083 1084 1085 1086 1087 1088 1089 1090 1091 1092 1093 1094 1095 1096 1097 1098 1099 1100 1101 1102 1103 1104 1105 1106 1107 1108 1109 1110 1111 1112 1113
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.8sec.