それはとても柔らかくて静かな日だった
わたしは視力を失いかけている母の目を治すことのできる医師が
この地にいると聞いて はるばる この地にやってきたのだが
偶然にも その夜は、祭りの日 ....
一人のタマシイ
踊り廻る幻覚のなか
独り在ること 瞑目し
漂う秋の甘やかな香に
愛の繋がり失いながら
一年の時が過ぎたこと
両手のひら打ち合わせ
澄んだ響きの木霊
耳傾け区切り ....
俺の家族に5億くれるなら
今すぐ人間核兵器になっても良いぜ
ただし俺が生きている内に
口座に振り込むことが条件だ
現在派遣社員で
月収手取り15万円の東山田俊男さん(47)
の発言が話 ....
ちょっとだけつく嘘まやくみたい
ほんとばっかりじゃつらいよね
裏切りがきらいなあなただけど
ほんのちょっと
まじる嘘にはきづかない
やさしくごはんをよそうから
むかいあってたべまし ....
悪びれることもなく時は捲れ
ゆるゆると確実に老いてゆく
胸に立ち込める冷たい霧
晴れる間もない
季節より早く深まったあなた
色づく言葉が黙々と
忘れ去られた詩人の墓を覆う頃
斜陽に目を細 ....
時雨が足元にうずくまる真昼
また丸い空洞の空間から埋まってゆく観念がある。
静けさを避けて 腫瘍のように広がる言葉
巻き上げたほこりすら元の地に返す言葉
すべてに人の顔を描かずにはいられない画 ....
マルティン・ブーバーの我と汝の対話を読もうとしてやめる
内包する彼との対話を積み重ねていくうちに
対話の薄い層ができあがりそれがやがて海となる
海は陸地へと流れ出して川ができる
川はどこまでも ....
熟された精神の元は若い心なのだろう。
小学生二年生の頃、弱肉強食とよく言う生徒がいました。
「あなたの好きな言葉」という紙にも書いており
その頃、わたしも彼と同じ齢だったものですから
ライ ....
夕陽が
巨大な刃物に見えると
あなたは言う
浴衣の袖に
夏の終わりをぶら下げて
つま先で感じる
感じているらしい
闇とか、それ、本当か。
八月の深い所で
あなたが書いた詩は
セ ....
150916
この石は瀬戸内海の青木石だから長持ちするんだ
黒が人気が有るけど、ほんとは白の方が良いんだよ
幼い孫の手を引いて祖父は真新しい墓を満足そうに眺めて ....
深夜、遠くから爆発音が聞こえる
それは濃すぎて圧力が高まった闇の暴発
あるいは居場所を失った光の散華
あるいは人間の諦念が投擲した幾つもの痛みや欲望
深夜、もはや爆発音は聞こえない ....
薄くうつろうもののかたまりが
轟々と夜のはじまりをゆく
剥がれかけた
光の重なり
見えたり消えたりするものが
左側をしたたり落ちる
布や布状のものすべてが
四角い ....
吐き出せば 楽になる
だけどこの世には
吐き出せる場所がないよね
なぜこんなに人を嫌うのだろう
それなのに
なぜこんな人で居るんだろう
庭の隅にあの子はいつも 忘れられては置き去られ
白いお顔は赤くなり やがてはそばかすだらけになった
忘れられてもあの子は僕を 忘れてくれやしなかった
一冬越したあの子は違う
置き去 ....
何時も山裾を眺める君のこと
忘れるはずもない
約束だけが残っている
いつかまた逢おう
人として生まれ輪廻は続く
約束だよ
ラフロイグを呑みながら一緒に語ろう
些細な日々のことでもいい ....
本棚には
山にのぼるまえの登山家と
ネクタイをしめるまえの政治家
それからドラック中毒の神父さまと
やわらかい夢が眠っている
もうすこしわたしは
旅をしなければならない
鍵をかけ ....
山にキノコ採りに
出掛けたジジイが
3年経っても帰ってこない
「誰か捜しに行けよ!」
と誰も言い出さなかったので
そのままになっていた
みんながジジイのことを
完全に忘れていた頃
....
いいことがしたい
あなたが喜ぶような
なのにわからない
なにをすればいいの
いいことがしたい
ほめられるような
なのにわからない
なにが正解なのか
ぜんぜんわからないから
な ....
一晩で覚めた酔いは 何も残さず
それなりの仮面を被って 朝の光にびくともせず
生活者としての仕儀で 感謝されてみたり
立派な人間は そもそも詩を作ったりしない
後ろめたさを糊塗する ....
恋をすると
女の子は
女性になる
男の子は?
愛を知ると
男になるの?
それまでは
少年と青年の間で
うろちょろしてる気がする
だからきっと
タイミングがズレるんだね
独房の堀で羽を休めるアゲハ蝶
憐れみの蜜を吐き出す
黒い光沢に光りが反射して
影だけ先に飛んでいく
十七歳の部屋では少女が
明日を憂えていた
それでも敏感に影を捉えて
不意に彼女 ....
マチルダその名に惹かれ
やはらかなドレスはオーガンジー
淡い薄紅のグラデーション
俯きがちな優しい微笑み
丸い瞳は少し淋しげ
見開いたまま
散り落ちる
マチルダ
虫に食われ
....
葉脈一筋一筋の呼吸
陽光照らし
くっきり浮き出す緑に
生動スル循環は止まず
改めて懐かしく
見慣れた細部に
生きる力を貰う
傷みを耐え凝視集中
彷徨う森の静謐な午後
諦めては ....
そんなにだいじなことが
あるだろうか
陽に透けている髪の毛や
ひびくように聞こえてくる帰りみちの子どもたち
なにかの秘密くらいちいさな爪のいちまいずつ
写真集にかぶったほこりのおどるとこ ....
リリー
言いたいことがあった
はずだけど
戸棚にしまった
毒の花
来たかったのは
ここなのだ
どんなに忘れても
赤い夢は
リリー
言いたいことがあった
はずだけど
....
人さし指を立てた
葉っぱが一枚落ちて
世界をスワイプした
時間が背負うことばの数々は膨張し
夕日に反転する夜空に
詩人という雨雲を生んだ
滴が重力に逆らって上昇する
歴史 ....
乗り越えなければならなかった
障壁は崩れ
敵だと思っていた相手の腕に
知らず支えられていた
唾棄すべきと思い続けた
内なる牢獄
私の手足を縛り
思考を閉じ込めた
古い価値
根拠の ....
やがて九月、と声が耳もとをかすめてゆく
窓辺にはレースのカーテンがひるがえり
夏の少年が静かに微笑む
君はどこからか来て何も言わずに去って行った
知らない言葉だけがわたしをさみしくさせ ....
つくづく不平らしく、海に向かって、高慢な舌打して、
「ああ、退屈だ。」
と呟くと、頭上の崖の胴中から、異声を放って、
「親孝行でもしろ――」と喚いた。
(泉鏡花 「草迷宮」)
中学生 ....
変えようぜ
まだまだ遅くはない
変えようぜ
まだまだ腐っちゃいない
考えすぎることなく
迷いすぎることなく
今を この今を
もっとフラットに もっと柔軟に
....
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