あらゆる疑惑や憎しみは
頭で考えるからおこるのだ
だからからだで感じよう
それも足のうらで感じよう
遠く離れてきみを想う
生きているかも
死んでいるかも
....
不眠症の彼に、ホットミルクを淹れるのがわたしの仕事だった。
ある夜をきっかけに、彼は眠ることを忘れたという。
どんなに体が疲れていても、睡魔は彼には訪れず、ねばつくような夜 ....
感傷的なババアは
少女のような心を
ヒリヒリさせて泣いている
涙は
くっきり刻まれた
ほうれい線をつたい
やがて下水道へと流れる
ババア
おまえの泣き顔はすべてを凍てつかせる
バ ....
見開いた瞳が何もかも拒む時
舌が千々に裂け石となり果てる時
世界がおまえとおまえ以外に二分される時
おまえの奥深く
開く扉があり
時間の揺蕩う土地があり
虚ろな空があり 明けのような暮れの ....
ある時は弟になりました
川に流された弟の
お姉ちゃんとお父さんを励ましました
お母さんはいなかったので
お父さんは一人で子どもたちを育てました
お姉ちゃんはお嫁さんになって
....
朝8時から夜10時まで仕事
残業が当たり前の毎日
職場では機械のように扱われる
キカイダー
自宅では粗大ゴミのように扱われる
ネムイダー
どちらも人造人間
誰かに作られた自分だ
頭を洗っても
頭の中は洗えない
胸を洗っても
胸の中は洗えない
洗えないから
こんな時でも
綺麗な汚れ方を
求めてしまう
なにものでもないけやきを伐採
わたしの血はながれないでほしい
いろいろ恨むことをゆるしたわたしは
どの花もゆるせなくてころされた
嘘偽りないものをさらす日々
恥しかない
生きても生 ....
私は 赤
おれは 青
僕は 緑
君は 黄だね
まだ 透明 生まれて 3か月
これからどんな色に染まってしまうんだろ
流した血だけが尊いの
命の深さをゆっくりと描く
苦痛と快楽の間を行き来する
剃刀の使い方
濁った瞳で見た世界
求めては去っていく使い切りの愛情
どこまでも残酷な言葉
....
私の父は18の時に航空兵に志願した
飛行機乗りになりたかったのだ
もちろんお国のために
命を捧げる意義を信じて
間に合っていればきっと特攻に行っただろう
出征するはずだった日の1週間 ....
150829
乗務機は今は無き香港啓徳空港に近づいた
これからがおいらパイロットの腕の見せ所
いつもわくわくはらはらする一瞬だ
真下には白いビル群が白い墓石が群れ成して
....
足早に過ぎていく
夏の印象
夏から秋に変わる
その瞬間がわかりにくい
いつの間にか夏は終わっている
夏の想い出が色濃くて
このまま終わる気がしない
夏の余韻を残そうとする風鈴 ....
遠くで聞こえる
こもったジャズ
父が好きだった曲だ
なんだか懐かしい
おかしな波長で
この耳に届き
私を現実から引き剥がす
まるで夢の中みたいだ
まるで時代を滑ったよう ....
そんなに透明では
生きていけない
突然泣き出すから
君の明日を憂うよ
美しい心の結晶
ポロリ
どんなに一生懸命
君は
生きているんだろうか
笑わせようと
君のまわり ....
美しいと思うこと
驚き
ただ、泣きたかった
けれど
感覚が掴めない
悲しいのに
悲しくないのが
悲しいのだ
私は泣けるだろうか
それが
いつもの
問いかけだった。
....
私も水から生まれたひとりだから
孤りはさびしいだろう
七十年前 誰かがこぼした涙が
いま雨となって私の肩にしたたり落ちる
(人は雨でつながっているのだな)
私のなかで蠢く海流がある
あ ....
初めて会った十代の彼はおじさんみたいに老けていて私と一個しか違わないなんて思えなかったんだムラサキ。二十代前半の彼はお母さんがお父さんのとまとめて買う服を着ていたぶかぶかなセーターあたたかい生成り。二 ....
あたしアンダーヘアを剃って
デルタ地帯に
サムブラウン・アチームが
走っている姿の入れ墨を
彫ろうと思っているんだけど
恐くて出来ないの
これってやっぱり
最先端恐怖症かしら?
う ....
私が悪口を言ってたのはあなたのことよ
なんて言えない女友達
面倒くさい
正しいってこともわからなくなる
どうでもよくなる
つきあいって長くなるほど冷たくなるのかな
特に女は
....
二十年前、富山に嫁いだ姉の結婚披露宴で
お約束通り、親父はウェディングドレスの
裾を踏んだ。十代だった僕は、ポケットに
手を突っこんで「贈る言葉」を歌った。
最後の挨拶で新郎のお兄さんは、 ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた
三歳の僕は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった
<今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら自分はこ ....
かなしみのほうに
かたむいていく白い朝は
つかみそこなった
ひなたちが
さかみちを
ころがりおちてゆく
いきさきは
とおい御国か
秋という字の
右耳に
火がともっている
....
お集まりの皆さま方、この度は、日本G研究学会シンポジウムにお越しくださいまして、誠にありがとうございます、G研究学会会長の、五木田振夫でございます。
我々、G研究学会、通称G研は、皆さまはもうす ....
ペンギンの群れを
ずっと 見ていた
ヨチヨチ
ヨチヨチ
幼稚だねって 思えたけれど
たった一つの 用地買収で
こんなにも イラってするの
なんでだろうって 自問自答
....
世界の終わりだ?
お前が終わっとるんじゃい
そんなつまらんこと考えとる暇があったら
尾張名古屋に置いてきた
お前の家族つまり世帯のことをどうにかせい!
お前が終わるのは
お前の勝手だが
....
「自分がされて嫌なことは
他人にもしてはいけません」
子どもだってわかってるのに
私たちは
自分を許すように他人を許せない
もしくは
他人は許せても自分は許せない
「自分がされて嫌な ....
掃除も料理も嫌いだけど
洗濯だけは好きで
洗濯物がよく乾くから
夏が好きだ
洗いたての洗濯物を
ひとつひとつ太陽の下に干すとき
いい匂いがして
気持ちよくて
カゴの中身が宝物みたい ....
何を言われても
どんな事をされても笑っている
悲しいけれどこぼれない涙
でも泣いている
電車に揺られているとき
よく考える
この各停電車に
知り合いが乗っていたりして
大人になって音信不通
愛した彼女と自然消滅
それでも日々は巡るもの
電車は僕を運ぶもの
揺れる川 ....
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