北方の風で洗面台の雌蜘蛛が咳をして死んだ頃、
南方で濡れた子を抱いて女は震えていた。
ただ、たどりついた波が水平線の先に
戻る子の影を見つめてた。
雨が止む頃、
親と同じ ....
何処に 隠れてしまったのか 探す
この 窪みか
この 暗闇か
真っ暗だと思えた町並みに
灯りが見える度
ちょっとだけ 救われた 気になって
目を凝らして 前を 見つめるけれど
....
その一滴を
くちびるに運んだならば
あなたもわたしも
同じ生きもの
潤いの程度に差はあれど
却ってそれが
証になる
あなたとわたしを
等しく結びつけられることの ....
140827
その筋のものですと
あいまいに返事したら
無視された
厳格な言葉以外は通用しない
某ですと名刺を通じたら
通用門が開いた
監視カメラは厳格なのだ ....
満月が丸々と輝く
深い夜
涼しい風の吹く
草原の中
ヒソヒソ声が
鳴りを潜める
今夜しかないんだ
どうしてもか
どうしてもだ
ヒュー
鳥の甲高い鳴き声が
木霊する
狼ど ....
汗でもなく
涙でもなく
果物から
液体が染み出てきて
それは
どれも芳しく
汗でも
涙でも
薬でも
ましてや毒でもないから
(万が一毒だとしても)
私はありたけを込めて
愛して ....
おまえの、
痛みを思おう
肉体的なものにしろ
精神的なものにしろ
母とは、
思いやることしかできない
ここで、
同じように痛みを思おう
魚のような君に会う
街はまだひびわれている
昔の靴を引っ張り出してきた
新しい靴のようにいい音をさせていた
もう
幸せにならなくていいかも
泣きながら笑っている
☆
堕 ....
矛は真理を貫き、楯は真理を守る
真理は沈黙にのみ宿り、文字は幻想をさまよう
我々は真実(言葉)を置いてはいけない
真実(言葉)が我々を書かせるのだ 。
....
砂漠でプールのチケットを買うような日々
ラクダにのったダフ屋が 指を三本立てる
市営プールじゃあるまいし
いまどきたったの三百円だなんて
ダフ屋は首をふって
金ならいらない これが欲しいんだ ....
AVビデオに
男優の顔が映ると
興醒めなので
ダフトパンクのような出で立ちで
ポコチンもメタリックな感じで
出てきてくれると
うれしいなあ
AV女優の方は
肉汁ブシューッ
でない ....
台北の街の夜
部屋ではショパンが鳴っている
雪崩るように鳴っている
夜の深さを測っている
異国の夜は
情報量がすくなすぎて
闇が深いから
あの夜のように
....
台北の街はビルの壁がどれも汚い
台湾と日本の違いは
右側通行とか原チャの多さではなくて
台北の街のビルの壁がどれも汚いことだった
日本はビルの壁を国債を発行することで
綺 ....
感謝できるようなとき
感謝の気持ちをもつなんて
普通の動物でもできる
特筆すべきことがなくても
嫌なことばかりのときでも
感謝の気持ちを先行させて
ぼくらは逃げ切り ....
自己紹介をします
私、ここから
ずうっと離れた
海が見える丘にある
教会に住んでおりました
近くのちびっこと遊ぶのが好きでした
悪戯でオルガンに
ちょっと触るのが好き ....
立入禁止の公園に赤く錆びた遊具と忘れたい記憶
暇になったらやるリストを書くことに熱中してしまったもう朝がきてる
閉じた瞼の向こうで漁火またたいている
もう足が棒になっている
感覚が無くなっていく
汗はもう尽きそうで
それでも歩かねばならない
同じ風景の中を
延々と延々と
先が見えないのではなく
先を知り尽くしているから
同じ ....
朝露にぬれた白桃を
吸血鬼が狙っている
吸血鬼は黒く、
爪の先ほどの大きさしかなく
細長い観葉植物のなかで暮らしている
白桃には、 ....
シェーキを押しつぶす指圧が
この喉にせまる
(ころしてやる、ころしてやる)
魔女の喘ぎ声が
携帯電話をへし折ろうとする。 ....
あまりにも刺さるのでそれを取り外す
風が強いのはいつものことで、それはとても痛いのです
こめかみあたりから、あるいは首の後ろから
小人が僕の邪魔をして視界という視界に落書きをした
....
あなたの前では
絶対泣かないって決めた
揚げ足取りのあなた
憎っくきその笑顔
あなたはきっと
メソメソしている私をからかうし
その割にすごい謝ると思うし
それでも ....
月明かりの下を歩く心細さを
小ささと細さで体現して少女は
そのページを駆けている
周囲を黒く塗りつぶされ
反った指先に可憐さを宿している
この物語を知っている
僕は知っている
この少女を ....
25時というから見逃したテレビを消す
たばこのような都合の良い理由が見つからないままベランダに出てみる
昨日か今朝か
月の世界に人がいるのかと思ったよ
ベガやアルタイルのように
君たちは、ど ....
睫毛に言った
「もう眠ったのかい?」
「いいえ」
答えた口唇は
一瞬も動かず
間を置いてから
「死んでいるの」
そう語っていた
もう何処にも生きている窓はなく
道も もう 死 ....
透明なものがたりがあった
ひとあし、ふたあし、訪ねていくように
波が岸辺に打ち寄せて
貝殻を拾って、耳に寄せても
波音は聴こえない
わたしの耳には
あなたの潮騒ばかりが渦巻いている ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている
ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
無人の駅に
青い鳥
天気も知らず
旅立つつもり
先ごろの
予感によると
どうも神様は
虫に戻ったらしい
ひとしきり微笑むと
鳥は彼方へ
無人の駅は
青い空
....
140826
ニイタカヤマノボレの暗号に
我勝ちに風鈴を粉々に砕いた
冬の最中にわざわざ探し出して割ることもないのにと思っていたら
なにごとも徹頭徹尾完済しない ....
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