オッパイの下は
汗をかきやすいと言われる
しかし
それがワキ以上であることは
知られていない
知られていれば
8×4乳の下用があっても
いいはずだから
Aカップのあんたには
分か ....
クロノスの深淵で
ドラ声でもって叫んでいる
黒い経絡が白いメガホンを片手に
枯れ木に花のおひとりさまょ
ここが痛い そこが締め付けられる と ....
透明なビニール傘が
人の間をいったりきたりしている
ときおりの悲しみや
優しさのように
青い時を濡らすように
赤い空を泣かすように
白い風を脅かすように
黒い光をなだめるように
(梅雨の雫が一滴また一滴)
ベランダの樋からの滴りを
老いたおひとりさまは ....
大砲の音は
鼓動を揺るがす違和の口火
冴え擦る草花
雨上がりの霄のにおいは
知らないはずの陸戦を思い出させた
涼風はとうに春を諦めている
雪をあしらった高峰を入道雲が旨そうに頬張るさま ....
ほとんどの恋とは、
心にだけ映っていて視ることはできない
約束された秘密の世界のことであったなら、
それから、あらゆる愛とは、
はっきりと形がある存在であって、
与えることも与えられることも ....
生まれたときにもらった種に
水をあげようと
じょうろに
たくさん水を汲んでいた
少年がいました
だけど、少年は
水を汲んだ帰り道に
少年と同じように
植木鉢に水を欲しがっている
....
空は薄暗いのに
色とりどりの看板や
揺れる木々の葉を
濡れた舗道は律儀に映し出す
冷たく滲んだ風景画を
靴やタイヤが
踏んでいく
ブラインドの隙間から
見ている私の
雨の記憶 ....
「君」を発見するための諸条件ーー
「君」に今、言葉はなく
「君」に今、韻律はない
鏡をのぞけば そこには
もう一人の「君」がいてニタニタと笑っている
世界を救うための ....
何も失うことなく
すべてを放棄するには
消えるだけでいい
だけど、すべてをこの胸に
留めおくことは
どうしてだか、こんなにも難しい
過ぎ去っていくこの春を
刻みこむようにイメージする ....
服がない傘だけ開く
腕をくみにくる女の中で眠る傘が黒い
折れた傘ゴミ箱に挿しこんで本当の笑いかた忘れた
金属製の留め金は
時折きしむ
わたしを
ここに
留めておくもの
家族とか
四季咲きの薔薇だとか
増えていくばかりの本棚とか
愛すべきものたちばかりなのに
長雨のあと
造成地 ....
通り過ぎる風のように
現れては去っていった
出会いと別れはいつも
風のようなものだから
嬉しい出会いにいつも
同時に訪れる不安感は
別れを予測し付き纏い
いつしか諦めとなった
....
トイレットペーパーの芯で
1/10000のスペースコロニー模型を作る
125万平方メートルに1万人が居住するスペースコロニー
1万人がいる狭く閉じた空間は精密な環境下の秩序で成り立っていて
....
透けるような夕刻のさざ波に向かって
餌木を投げる
こういう晩には大イカがやってくるらしい
赤い餌木
黄色の餌木
緑色の餌木、銀色の餌木、紫の餌木
を投げた
....
雨降りから
こっそり逃れるために
少しずつ歩く
小さな黒猫には
首輪もないので
名前もないだろう
彩りある
小さな傘がたくさん
水たまりの
近くにあって
バス停で
トロリーバ ....
世界に
ひっかかっていた頃
一日がこんなにも
短くはなかった
めくるめく
ひと日ひと夜
濃密だった
日々過ぎて
今は
もう
たいらな時間の
うすい夢
過去と ....
今日、月がもも色で
口をつぐむように鳴らす笛が
灯台の{ルビ灯=ラフ}をかすめて
指どおりのよい
髪にまきつく
入りくちは浅くなめらかに
奥はとおくするどい爪のかたち…
荷を ....
弱々しい泣き声を自粛して
見上げる空に満ちるのは
サファイアの海
誰のものとも分かちがたい記憶の潮に
わたしは鼓動をそっと浮かべる
きれいな言葉も醜い言葉も
燃やしてしまえ、落 ....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン
もう 彼の故郷に行 ....
ネットスーパーを使うようになった
重たい荷物を
三階まで運ぶのが億劫だから
理由はそれだけじゃない
配達してくれた人が
ちょっとジョニーデップに似てたから
昨日なんか挑発するつもりで
下 ....
何も言えない奴だったけど
いつもじっと私を見ていた
嬉しい時も悲しい時も
いつも私の方を向いていた
私は良い飼い主ではなかったから
抱きしめてやることもしなかった
時たま気まぐれに荒々しく ....
あの頃効いてたクスリが効かなくなって
随分落ち込んだりした
こんなに長い幸福の不在に
存在の耐えられない軽さに
この長い沈黙に
耐えなければならない
言葉の落とし所はいらないよ
僕は不幸 ....
何かを 見詰めようとしたら
今まで 瞳を潤していた 存在を
排除しなければ ならない と
泪ながらに 訴えた夜
あなたは 笑って こう言った
その必要は ないよ
何の為に 右と左が 存 ....
僕は村上という名字なのに
ムラサメさんと呼ぶ人がいた
何度も「僕は村上です!」というのに
ずっとムラサメさんと呼び続けた
初めは冗談か嫌がらせかと思ったんだけれど
ムラサメさんに相談があるん ....
存在の寂しさに耐えきれなくなった時、人の温もりを求めるのか。
存在の優しさに泣きたくなった時、人の許しを求めるのか。
今年の冬は
何時もの細長い島へ避寒に行くのよそうかな
島で 子作りするでもないし
このあたりでも河面も凍らなくなったし
餌の小魚も採りやすいし
あの島の平地にはニンゲンの巣が広がって
....
シトシトシト
今年は梅雨らしい梅雨になった
見上げる空は
銀鼠の色をして
空を低く押え付ける
傘を差す人々が行き来する交差点
女の人は
色使い ....
1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994
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