コートの下からにょきっと生えた
細長い煉瓦の色をした
煙突を背負った男は
大きな麦藁帽子を被っているので影のようだ
軍手にした鉤状の蔓で
雑木林をほじくりながら何かを探し ....
走り去る青い車の
テールランプながめながら
流線型の感情を抱きしめる
どうせ終わったことだから
もう悲しむことにさえ意味はない
遠雷が
湿った空気を震わせる
瞼の裏側で
す ....
今日は土手を歩く
土手を歩いて風を数える
おまえと 僕と
懐かしい春の風を行進する
川面の丸い光を
後退する四角い針の葉の林を
居眠りする土手の潅木の列を
風はまんべんなく揺らして渡 ....
高いところへ上りたい
ただひたすら
上へ
白いシャツにジーパンにスニーカーはいて
長い階段を一段飛ばしで
踏みしめて
少しずつ気持ちを昂らせながら
そ ....
オートバイの神様よ
僕にオートバイを運転するだけの
必要最低限の才能しか恵んでくれなくて
ありがとう
レーサーになる腕前も
白バイ警官になる技術もなく
暇さえあれば峠に繰り出し
運が ....
まさか 夢にみるとは思わなかった
明け方の私の夢に現れた
君のことは何も知らないのに
ネットという魔都で知り合ったのは
ずいぶんと昔のことだった
私が詩を書き始めた頃
君の書く詩はとて ....
なにかをリセットしたいとおもい
恒例のだんしゃりを決行する
てはじめに冬服
もう襟足をたてて歩かないことにする
首筋からはいりこむ空気をうけいれることにする
ぶ厚い靴下をすてて
地 ....
産まれることのなかった子供へ向けて歌う。意味なんてどこにもなかった。ただ歌う
ふと、祈るともなくねがふのです。
わたくしの稚い恋が、空のどこかに、
まだ光るのなら、
星の蒼さに永遠にのこりますやう。
わたくしの実らぬ想ひが、天の記録に載り、
....
突然
中1の長女が私の単身赴任先のアパートに転がり込んできた
つまり家出だ
終業式まで後2日
どうしたんだ?
洗濯 掃除 ご飯の支度
全部やるから ここにいさせて
....
旅立つ人よ 行先も解らぬまま 風土と訣別する人よ あなたの眼は希望に狙われている あなたの足は道に狙われている あなたの手は人々に狙われている 愛も孤独も要らないと 嘗て語っていた旅立つ人よ あなたの ....
【五色の指】
靴下を履かせた
五本の指に それぞれに 五色の靴下
おやゆび りっぱ
ひとささんゆび させないよお
なかゆび めだたないよ
くすり ....
直線と曲線が折り重なり春がきました。そこは麒麟なんじゃない、キリンなんじゃない、きりんなんじゃない、夜のそこはまだ冷えるから
冷えたそこから声がする
長い長いきりんの首のそこから
聞いたこと ....
まるでテリーヌのようだよ
あらたまった声音でもって
そんなこと言われても困る。
僕はテリーヌっぽくはない。
と、強がってはみるものの
実はテリーヌ顔かもしれぬ。
テリーヌ丸出しかもしれ ....
太った幽霊見た太ってた太ってた
たらいといっしょに回されている
母が言うパックンマックンはパペットマペットのこと
産まれた時は みんな真っ白い心で
余計なものを何も持たず
求めることはただひとつ お母さんのこと
子供の時って 目がとてもきれい
真っ直ぐな気持ちで 自分に正直に 手に入れようとする
手 ....
檻の中に
いるのだとおもった
どこまでも許しを必要とせず
満たされつづけるような
海に吹かれて
さびしさを紐解けず
絡まっていた
慣れてしまえば
失うことは ....
この夜道をいつも緩やかに漕いでいると
鼻の穴から嬉しそうにメロディが
街灯も少ない住宅街に響いてゆく
今日は紅色夜月の下小雨も降って
うっすら花粉が舞っているのに
紅色提灯垂らした石焼き ....
蟄虫啓戸
すごもりのむしとをひらく
ギィっと
闇に穴が開くと
部屋は一瞬で眩しさに満たされた
クラっと
意識が旋回して
しばらく身動きが出来なかった
何の理由も告げ ....
140318
のろまなびるまなどという呟きが聞こえるので思考を中断、先へ進む
遂行するのはノルマ
のろまな奴では達成できないからその後ろには懲罰が手ぐすねを引い ....
僕達が存在しないのは
僕達が交換可能だから
僕達が存在するのは
僕達が一つの虚像だから
僕達は自分達を虚として演出する時のみ
この世界に存在する事を許される
もし、 ....
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真珠秘話
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海に照り返された日射しだけが 剥離し球体になって昇っている
あれは、太陽なのか。
美しい白銀の オパールに私を変える
変色しつ ....
火の玉を内に秘めて生きる。孤立する遺伝子。音楽家は静かに暮らす。艶めかしいふくらはぎを蟻が通る。対立する二つのものが存在して初めて完成する世界。いつも通りに夢を見る。覚えていることは覚えていること。黒 ....
あなたはどこへ向かって跪くのか
大地を巡るあなたの重量は
限りなく鋭く削られていった
地中深くから天高くまで貫く一本の
明るい静寂の柱によって
あなたはどこからその声色を拾っ ....
何も要らない
心も
明日も今も過去も
1秒も一生も
すべての罪も
すべての愛も
朝のコーヒーと煙草も
青い空に踊る小鳥も
漫画の続きも
あの子の笑顔も
馬鹿げたラブストーリーも
....
ウイルス対策しないままパソコンいっぱいに冬
早朝割引の列でお悔やみ申し上げられている
ポチ袋にこころばかりの陰毛
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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