そぐわないものに心惹かれるのです。
アスファルトから伸びるたくましい雑草や、
青々と茂り視界を遮る街路樹や、
花束の中で枯れてしまった一輪の花に。
その景色に溶け込んでいない存 ....
ふざけるでなく
触れ合うでなく
ただ
ふわり、と
ふたりの間に空いた距離が嬉しいのです。
笑い会うでなく
罵り合うでなく
ただ
ぽつり、と
ふたり ....
返答があるわけでは無く
届くはずも無く
それでも貴方に向けて
「さようなら」
と呼び掛けました
あたしの声が届き
貴方が振り返ってくれることを
心の何処かで期待しながら
そんな ....
どうして貴方と出逢ったのだろう
恋に落ちるためだと
幸せになるためだと
何の疑問も抱かず信じてた
貴方と出逢えて良かったと
心からそう思っていた
時は流れ
想いは風化し
....
砂時計の砂が
音も無く落ちる様に
あたしと貴方の関係も
サラサラと
終わりに向かっていたのですね
始めから見えていた終りから目を逸らし
心地よい関係に甘えていたんです
それでも ....
貴方はさも当然であるかの様に
肩を抱き
手を握り
頬を寄せ
耳元で囁き
足を絡ませる
あたしの身体は熱を持ち
溶け出すかの様な錯覚に陥る
反比例するかの如く
あたしの思考は冴 ....
辛いのは自分だけじゃないって
皆 傷を抱えてるんだって
ちゃんとわかってる
ただ甘えてるだけだってことも
もっと強くならなくちゃいけないことも
ちゃんとわかってる
それでも
立ち ....
雪が溶ける様に
花が枯れる様に
儚い故に美しいならば
花火が一瞬咲き誇る様に
流れ星が瞬く様に
消えゆく故に美しいならば
あたしは今を輝きたいと思う
過ぎ去った過去よりも
....
貴方のその横顔から目が離せませんでした
とても儚げな寂しげな微笑を
何かに怯えるかの様に俯いた目線を
全て記憶に焼き付けたくて
目を逸らすことを忘れてしまったかの如く
ずっと貴方を見つめ ....
大音響のロック
密室に充満する紫煙
軋む車輪
分泌される脳内麻薬
揺れる社内でトリップしながら眺めた
スモーク貼りのウィンドウ越しの赤い観覧車
あたしに何を語りたいのだろう
あた ....
貴方が欲しくて堪らなくて
叶わない現実にもどかしさを覚え
あたしの欲望は限り無く膨らみ
何時しかあたしは欲望の塊となり
貴方を喰べたいと願うのです
貴方の喜びも悲しみも
貴方の過去も未 ....
貴方への想いは
貴方の元へ届くこと無く
あたしの中で発酵しています
発酵した恋心は
全く別の想いへと姿を変え
今も確かに
あたしの中に存在しています
ひとつの恋が終わって
もう二度と連絡が来ないように
メールアドレスを変えてみた
もう二度と見苦しい真似をしないようにという
前進の一歩なのか
はたまた
もう二度と向き合いたくな ....
目が合って。
口を噤んで。
沈黙が降る。
身体に絡み付いていた雑音が、止まる。
君ノ 存在シカ 感ジラレナイ
柔らかな頬。
濡れた瞳。
触れた唇。
絡み付いた身体の鼓動が、聞こえ始 ....
非道な自分
を
わかってる
ちゃんと、わかってるんだ
……頭では、ね
心は別だろ?
そんなコトバアソビをしてみても
わかってるよ?
道に非ず、だろ
....
非難して 罵倒して 蔑んだ
許せなかったアイツの裏切り
鏡に映った泣き顔が
鏡に映った怒り顔が
鏡に映った嘲笑が
アイツはオマエだと僕を責める
合わせ鏡の向こう側
....
君が微笑むと 僕は嬉しい
その笑顔に釣られて 僕も微笑んでしまうんだ
君が泣くと 僕は悲しい
傷付いた君が安心できる様にと 僕は笑顔を作るんだ
君が怒ると 僕は悔しい
大したことじゃ ....
砂漠の中から芥子粒を探し出すなんて
不可能かもしれない
でも
その芥子粒が芽吹いて成長すれば
その花は見つけられるかもしれない
目標や夢 やりたいこと
芽吹くまで待つのがいけな ....
どれだけの言葉を用いても
どれだけの比喩を探しても
ほんとうに伝えたい想いが伝わらない
どうしたら伝わるだろう
どうしたら届くだろう
ほんとうに伝えたい想いは
ありふれ ....
君に似通う、後ろ姿
君に通じる、甘い香水
君が好んだ、帽子の形
君が馴染んだ、窓際の席
君が望んだ、最新刊
君の痕跡はどこにでもあって
僕はいつでも君の思い出に触れられる
....
煙草が吸いたくて
その場に座り込んだ
通り抜ける脚
目的を持って進む足
その流れから
置いていかれた僕は
ぼんやり煙草を吸って
吸い殻を踏み潰した
あはははは
くすく ....
自己都合
自己否定
自己提示
自己破壊
最近、僕は病んでいる
そして、君を失くした
僕を、肯定してくれた、君を
傷付けて
傷付いて
それでも離れられなかった
笑い飛ばして
気まずくなって
それでも失いたくなかった
嘘ばっかりで
身勝手ばかりで
それでも抱きしめて欲しか ....
詩人を名乗って言葉を綴る
嘘っぱちの、自称詩人
客観性も主観性も無くしてしまった僕は
手段と目的を履き違えて
バタバタ足掻く
ホントウは、詩なんて書けなくて
詩になることのない
....
差し出された腕が 宙を泳ぐ
僕は 君をあやすかの様に微笑んで
そっと 君の両手を膝に戻した
頬を膨らます君が
抱っこをねだる君が
差し出された腕が
愛しくて ....
残り物の野菜とスープブイヨンと塩胡椒を少々
コトコト コトコト
ひたすら煮込んで 野菜スープを作ろう
味よりも栄養を摂取したい僕は
さらにいろんな物を混ぜてみた
哀しみと
苦しみと ....
掌から零れ落ちる時間を掴もうともせずに
ただぼんやりと 貴方を想う
逢いたくて逢いたくて 心が壊れてしまいそう
愛なのか執着なのか独占欲なのか
僕にはもう見極められられないけれど
貴方の ....
厭世的な気分になり
仕事を抜け出して
トイレで自分勝手なヤニ休憩
トイレで煙草なんて高校生かよ
そんな自分突っ込みで
あの頃を思い出す
あの頃
同じ様な厭世的な気分で
大人を馬 ....
泣けないから。
唇を噛み締めることしかできないから。
冷えてた水が温くなるにつれて、コップが汗をかくように。
僕も涙の代わりに汗をかく。
今が夏で良かった。
不自然じゃない、発散。
....
今にも閉じかけようとする瞼をこじ開ける
なんとか携帯電話のディスプレイを覗き込む
ぼんやりとして働かない頭の中に 君の名前が染み渡る
「寂しかったの。声が聞きたくて」
寝起きで掠れた声 ....
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