『九月四日。まるっと』

    (作詩 ハァモニィベル / 原作 渚鳥)

   


この机の足下に

私の工作用の材料が入ったカゴが一個 ある。

それは 一人の人間の訪れ ....
哀しみは、この駅の1番線に到着し、9番線から出るという。無人駅は、待つ人は疎らで、降りる人ばかりがやたらに多い。1番線にやって来る列車は日に何本もあるが、9番線からは滅多に出て行くことがない。俺はそん .... .

 伝言:〈先に、宇宙に居ます〉


2つの宇宙が語り合っている
互いの法則を探り合っている
何処までも飛びつづける
卵のような艇内に閉じ籠められて
一輪の華
がお互いに咲いて ....




背を向けて一人の男が寝ている。
一言の口も利かず、黙って、
かなり前から ずつと、
長い ながい時間
心はうたっているのかも知れない 
新しい悲しみを

そして
南極 ....



触れるほど壊れてしまいそうな
手のひらの小石を抱いて


形にならない呼吸のかけらが
何処かへふかくおちていく


まどろみを蹴りながら


泳ぎつづけていく夜、
 ....


 

どぼんと
水面のまぶた
開いて


揺れる呼吸の
ただいま と おかえり





喪失の臭い


幼子の瞳に隠れんぼする
木製の掌はうつつ

 ....



骨のかけら
唇に
あてがい


言葉は
君の髄まで
浸る


解釈は数え切れない
指をさしむけて
分割できぬまま日常を配置する


夜は
数え切れない
 ....
雲のなかを行く鳥も
目を開いたまま
プールの中の子どものように
夢を凝視していた


よく見えもせぬまま
あの日もいまも
部屋の中で遥かな空を行く


誰かが描いた街を
い ....


初めての旅をした
魅力に富んだ表紙のついた 本の
扉を開けるように
それは 始まったわけではなかった

足を引き摺り ひと気のない
トンネルを歩くように
それは まだ終わらない ....


足音がする
 足音だけが 
北側の
庭の隅を過ぎる

犬が吠えたてる
 犬が頻りに
遠くの犬もつられて
吠える


枕もとの時計は
まだ
静かだ


浴室を出 ....
Only to Fail


こんな題名の小説が一冊
ほら目の前にあるだろ

いや、小説ではないな、漫画だ
これは。

原っぱの草野球で
大リーグボールを投げている
 ....
      ――その右手の残酷は、あの左手の歓びである。


  ロマンティックな挽き肉



きみは、いま静かに床について居て
もうすぐ死んでしまうのだと、してみよう。でも、悪く思わ ....
エスカリエの沈黙・試論


、林檎を齧りながら
 本を読んで いました。

そして、静かに、

 手を伸ばせば取れるほど
 真近かに
 林檎は
 赤く光って いました。

今 ....


   黒い三日月




ユアーン及びユヨーンが、それこそ
ユヤユヨン、ユヨユヤンと、往復し交錯していた。


ぼくの心さ


Ho!Ho!Ho!
胃袋を吐く

 ....


折り鶴が一つ 夢の痕に置いてある
明日は飛んでいくに違いない
ほど羽根を広げて

まるで指先のように
僕を見つめた儘

記憶の皮膚をつついてる

 『 風 車 』



寂しい路の傍に、忘れられた 
{ルビ風車=かざぐるま}売りの 荷台が一つ
ポツンと、あった。
  風の強い日
色付きの 沢山の風車が、、
虚しく 激しく、そこ ....
++

   第 一 章


どうしようもなく雨が訪れる日々がある。
だけど長くは続かない。
けれど、あのときは…
雨は、いつまでもやまなかった…

それを予感というのなら、たしか ....


 『 デッサン DESSIN 』




   『廃屋』


押入れの中で舌を出している人形が、
暗闇に腹を立てていた
しずかな雨の音に
埃だらけの靴は下駄箱でかぶりを ....
亀裂のように微笑んだ
一瞬の
閃きの砲火が
砂に埋れてしまった海の
海の破片(かけら)を
思い出す
 夢


空に啼いている鳥がいる
攫めそうで攫めないと
啼いている…鳥 ....


 『微笑む肖像』


荒涼とした
砂漠をゆく 幻の駱駝が、
ふいに
輪廻するように、

ときに肖像画は、
物語を話すことがある。

ルーヴルからある日、
怪盗の手によ ....


昨日でいっぱいだった一日を過ぎてみると
何もなかった もう何処にも
やがて夕暮れを噛んだまま
灯りも付けない僕が
何かを乞う人のように
佇んでいる

残されていたのは
顔色の ....
白い 月の落葉が
いく時も
降り散る


果てしもなく
埋もれてゆく
光の
孤独

故郷であの日 掌に吐いた息のように
寒く、慄えて

深い底に さだめないまま
沈み埋も ....
見つめていた風が
 いつのまにか
ぼく の頬に触れた

やがて 
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう

巨きな魚が蝶を呑むように
 腹の中に
ぼく は消えてい ....
予感は、急角度に侵入する胎児だ


樹々が複雑に伸ばした細い腕の先のほうに留まると、其処で眠る


それがいつ後悔に姿を変えるのか瞬間を見たものはいない


気づいた時にはもう

 ....
〈ふつふつと煮えたぎる〉孤独の中で、
〈爆発と偉業の準備〉をするために帰る
  「夜の屋根裏部屋」には、
 過去を殺したナイフが、
 心臓に 突き刺さっている。

盲目の壁を背に野うさぎの ....


(或阿呆の一生)が、それでも
まだかなりの時間 残ってる。
所詮は、
断章に過ぎずとも
初恋の
Cleopatra の鼻すらも、
もう思い出せもしなくとも
地球の表情は、いった ....


 沈黙の音信



夜中の音で目が覚める。
パチンとかバタンという音ではない
カンカンカンカン
トタン屋根の上を 何かが 
走り去る 音

抱きかかえられるのは嫌よ。猫み ....
 「条痕」


ぼくは、〈沈黙〉のまわりで遊んでいたことがある。
なんの裏付けも無いことばよりもそれが信じられたのだ。

大人たちの居間で飛び交う〈ことば〉の
ひどく空ろな虚構より

 ....


 空っぽ



頬では乾いた涙が
カラッポの
胃のなかをまだ流れ落ちている

愛混じりの雨が ポツポツと
また落ちてくる気配がする

昔、ぼくの玩具箱はカラッポで、
 ....

「イメージングLABO」




山? さん、 三 描っけ 欠っけ、、
さんかっけ ――が、

頂点から崩れるような感じで上に吸い込まれていく
だんだんと上の方から 上に向かっ ....
ハァモニィベル(208)
タイトル カテゴリ Point 日付
『九月四日。まるっと』[group]自由詩3*17/9/22 21:38
無人駅 ~ジョバンニ発、カンパネルラ行~[group]自由詩3*17/8/19 22:16
伝言 〈先に、宇宙に居ます〉[group]自由詩6*17/8/13 3:21
  未完のソルテ[group]自由詩1*17/7/15 19:54
書けない詩の書き方について[group]自由詩1*17/6/13 12:08
楽車 DanーJiri[group]自由詩017/6/12 9:57
黙唱[group]自由詩2*17/6/8 21:21
「ぼくの二本足」[group]自由詩1*17/6/8 21:15
さりげないソネット#2自由詩4*17/4/12 2:45
さりげないソネット#1自由詩3*17/4/9 14:11
Only to Fail[group]自由詩1*17/2/4 18:35
《ロマンティックな挽き肉》[group]自由詩2*17/1/27 21:48
エスカリエの沈黙・試論[group]自由詩4*17/1/27 8:39
黒い三日月[group]自由詩2*17/1/25 6:19
祈リ鶴[group]自由詩4*17/1/25 6:18
『 風 車 』[group]自由詩2*17/1/25 6:16
宿命の CANDIDE[group]散文(批評 ...0*17/1/23 23:53
『 デッサン DESSIN 』[group]自由詩3*17/1/23 23:51
『 十四行ノ居似詩絵 』[group]自由詩2*17/1/23 23:49
『微笑む肖像』[group]自由詩1*17/1/21 1:45
 行方自由詩2*16/10/19 7:38
 白い月の落葉 (静夜思)自由詩1*16/10/9 18:18
 「ミネルヴァとヤヌス」自由詩5*16/10/3 13:46
 純粋な記憶自由詩5*16/9/7 1:07
 灰の肖像自由詩2*16/8/4 18:50
或阿呆の一生自由詩2*16/6/8 20:30
沈黙の音信自由詩1*16/5/27 13:46
条痕自由詩2*16/5/21 21:52
空っぽ[group]自由詩2*16/5/16 20:33
イメージングLABO[group]自由詩3*16/5/15 23:55

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