期待はずれって言うのは
まだ期待してるし
顔も見たくないって言うのは
まだ未練がある

言葉にした瞬間
むしろ曖昧になる

怒らす天才やって俺にキレたのは
俺に何を伝えたかったか
 ....
俺は「人」をやめるのは難しいと思う。

むごい人間をむごいまま、
間違ってる人間を間違ったまま見放す、
放っておくことがでけへんからや。

俺もできることならやめたいけど、
どうしても人 ....
やらなあかんことなんかやらんと、
やらんでええことをやれ!
やった方がいいことはやるべきではないし、
やりたいことは間違ってもやったらあかん。
やってることはやめていいし、
やったことはもう ....
ハッピーエンドの小説なんか読んだことがない
ホッとした後に生活なんか送れるのだろうか
眠れない夜に読書をするなんていうのは
かえって明日が怖くなる

毎日裏切り者たちと仕事を共にして
罰を ....
当面の間{ルビ素麺=そうめん}、具はなし
そんな夏休み、避暑地でひとり
{ルビ茹=う}だるダルメシアンに水打ち
都市には腐るほどの人びと
高架下のラーメンとジャーゴン
将来のロープを気にかけ ....
俺の事がわかりそうにない人への
言い訳のために俺は喋ってきたけど

そういうのん俺には向いてへんからな

逆にお前らの方が俺に言い訳してくれ

お前らの事いっこもわかれへん
頼むで
お前には根性がないねん!
って言うおっちゃんがおってな
そんな冗談流行らんで
って俺は言うた

でもな
根性みたいなもんが
ほんまにあったらええな
と素直に思ってみたりもした

着 ....
優しいなんていっときのことや
遊んだらええ
内なる鬼はすぐ現れる

誰でも心を常にしぶとく
遊ばしたっていったらええ

少なくとも君たちを
人でなしと呼ぶような人の顔が
人であったこ ....
憂鬱でも麦茶が美味い 糞のこと
尿のこと

それらのことを
考えて飲食せえ
って言われてるみたいやな
ってたまに思わへんか?

知らん
飲んだる
俺は食うていくからな
たとえば犬をワンちゃんと呼ばなあかんような雰囲気がある場
というのがあって
決まっておどおどしてしまう
揺れるキャリーケースの
疲れたフィギュアたちに紛れた
俺はねずみ
湿気た袋の中の息苦しさに
もう眠たい
苦しい無個性たちに
重苦しいストーリーを
配って歩き
楽しくもない薄鈍の快感を
己れの中にこんな
悲しい凡庸さなど
見ずに済んだろう
読みたくもない
悲しい凡庸さなど

部屋を出る ....
傷ついた子供の頃を庭に埋め
その寒さ、苦しみを庇うのに
人を哀れんでは人を責め
人を憎んでは虚仮にして
生身の己れの無視をした

ごまかしてきたこの血管に
もはや血が通わないことに
気 ....
明日なんかもうなくなってもうた後の
最後の郵便局へ
俺は行ってきた
それでも速達で送る小包を
預けて帰ってきたんやった

もう朝起きんでもよくて
今日夜寝んでもええとなると
不眠症なん ....
燃やされるのはこわい
人のために死ぬるのは
何もかも未来のために
捧げてしまうのはこわい

朝陽が昇って
青い空と一緒に
からっと晴れた気持ちで
殴った
潮風が気持ちよく
涙の跡
 ....
傷のない明日の西陽を
寒くない風も 一緒に
蚊に刺されながら吸った ベランダで
脳みそをごまかしてる意味という意味を
取り出して木彫りにした
明日の夜見る夢に三色ペンも
蝉に鳴かれながら拾 ....
人は飛ぶ
知らない場所に行くみたいに

腐った夜空にね

通り魔が逮捕されても
充電残量を気にしてる
優しい人たちにハートをあげてください
音楽、
もう終わるんやって
太陽が窄んでる
トンビも
汚い郵便局の看板も
生きながらえた最新の俺はとてもやさしい
包まずに捨てたはずのガムが
靴の裏で俺と一体になった
グリーンデイを聴き流すように青春は
十代の特権ではないと
プラスチックケースに入った亡霊
明日 ....
浮腫んだ面で地べた這いずり
頭から水をブッ被る
野良犬の要領で水分を振り飛ばし
苦しい顔に化粧水をまぶす

やり場の無い暴力を散ずるために
善人のふりした土方をしばく
従順なふりしたモー ....
退屈に突かれ
音に叩かれ
時間に捕まえられる
忘れるなよ
一日は八分五十八秒

食べる
静かに
清める
動く

食静清動
食静清動
ひとは人である
という箱の中に閉じ込めてしまっていいのか
病である
という蓋で閉じてしまっていいのか
わからないが
俺の中にいる何かに聞いてはみたが
唸り声を中に聞くだけであった

空 ....
服に{ルビX=くる}しみは入り込み
クーラーで冷やされた

皮膚は充電器に温められ
毛髪の生える余地もない

氷水をバケツに入れて
息を潜めて歩く
晴れますよ
明日も明後日も
不吉な夢にとらわれて
終日寝床に縛られる
何でも自分を責めればいい
爪を付け根に付けたまま
毎朝テープで固定する
夜にはいつも臭くなる
煙たい空気を吸い
 ....
新しい仕事に馴染めそうになく
ハッタリを言ったり健康食品をやったり
錠剤2錠と常在菌
電卓で桁外れな数値を叩き出したり
結婚式を病気の治療だと信じて
彼女に渡されたゼクシィをじっくり読んだり ....
呑み込もうとする強風に生きてきた今までが夕闇の中へ広がって胸に湧く蛆虫が首筋を通り冷えていく死体の裂いた腹の中にマッチを差し入れて今朝クーラーボックスの中で俺と握手をして別れた 仮病を使ったら体調悪なって
嘘つかれへんって不便やなとか言うてひとり
生きるために俺は何ができるんや
などと意味のないことをつぶやく
女との将来が顔面で凍り付き
べたべたした汗と毛が全身を這 ....
「イルミネーションが点灯する季節になった」
と書き始めてやめた

苦しいときに苦しいと言い
俺のために俺のためと言った

会社員はやめたから空は明るく
ここは田舎で風が冷たい

悲し ....
縫い目に指を入れて
糸を噛み切る朝に見た夢の
回遊水槽の中に
何も泳いでいなかった
奥畑 梨奈枝(84)
タイトル カテゴリ Point 日付
喉がしぼれる自由詩222/8/17 11:33
お前の言う通り自由詩122/8/9 19:39
To doリストなんか捨てろ自由詩222/8/6 21:55
ハッピーエンドの小説なんか読んだことがない自由詩122/6/13 14:18
そんな夏休み、避暑地でひとり自由詩122/6/10 20:37
お前ら言い訳してくれ自由詩222/5/23 19:17
根性バチ自由詩322/5/9 16:20
優しい鬼自由詩222/4/29 11:41
憂鬱でも自由詩322/4/28 0:18
鯨馬自由詩222/2/8 22:10
ワンちゃん自由詩2*21/12/25 15:26
俺はねずみ自由詩321/12/15 23:30
己れの悲しい凡庸さ自由詩0*21/12/12 23:30
11月23日、怯えた詐欺師自由詩3*21/11/23 13:58
明日なんかなくなってしまった自由詩321/10/7 18:28
人間こわい自由詩520/11/12 22:44
自由詩520/11/8 16:56
腐った夜空自由詩120/11/7 18:54
俺の滞在自由詩020/10/23 14:24
生きながらえた最新の俺自由詩220/10/11 0:18
失明砂漠(2013年)自由詩1*20/10/9 11:33
かけ声#1自由詩1*20/10/7 18:06
空腹のさなか自由詩220/10/6 13:56
歩く バケツに氷水を保ち、息を潜めて自由詩1*20/10/6 12:54
髪の中に虫がいる自由詩320/6/19 9:05
アップルパイ、俺は一人で食べるから自由詩420/1/13 11:55
クーラーボックスの中で自由詩219/9/24 17:30
すべてが俺を食べてしまって自由詩219/2/26 17:30
無職のサラダ自由詩5*18/12/21 9:35
縢る自由詩2*18/12/16 13:06

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