誰かが歌っていた
幸せの後ろを別れがいつもついてくると
好きな人と居る毎日は
別れる理由を探す毎日で
別れなくてもいい言い訳を探す毎日だった
家が建ち、間もなく名字が変わる
やっと見つ ....
こんなにも体は軽くなり、私は自由になったというのに。
手探りで見つけた温もりは、求めたものではなかったということだ。
私の顔は笑っているの?
この子はとても幸せそうに笑っているというのに。
....
日が沈んだ
この{ルビ郷=さと}では太陽はビルではなく
山々の間に沈むのだ
当然ながら日没から夜までは早く
一人星を探せど時既に遅し
見渡せど君は今はいない
この時間に仕事はない
....
美しいもの
午前3時にファミレスで団欒する若い家族
美しいもの
駅の改札口で抱擁し口づける不細工カップル
美しいもの
不出来な部下に怒鳴り散らす不倫上司
美しいもの
後輩にジュースを買い ....
おはようとダルメシアンが言う
おはようと答えてから
なぜダルメシアンなんだろうといぶかってみたが
すぐにそんなことはどうでもよくなった
二度寝をしたくて抱き寄せて見ると
それはダルメシアンで ....
あなたとわたし
またここにいる
良いも悪いも興味がないわたし
緑と赤の区別が付かないあなた
不釣合いのようで均衡を保つ
わたしはあなたの喜ぶことを知っていて
あなたはわたしを怒らせ ....
恋人じゃない
妻じゃない
友達じゃない
同僚じゃない
何者でもない
お帰りなさいと言う
晩御飯を作る
毎晩一緒に眠る
抱き合って眠る
手を繋いで眠る
毎朝あなた ....
家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった
仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の ....
花瓶に生けた花束の
その中の一輪をポキっと
摘み取ってしまいたくなった
あんなに慌てて水を吸わせてあげたのに
今は折りたい衝動が止まらない
花びらの下のガクのすぐ下を
こうして摘まんで ....
いまさら偽ったって仕方ないやんか
いまさら謝ったって仕方ないやんか
いまさらいたわってたって仕方ないやんか
いまさら出逢ったって仕方なかったんやんか
この気持ちを教えてくれたんは
あ ....
うちは最近、貪るみたいにラブソングを聴いてる。カラオケで友人が唄った歌の中に魅かれる曲があればMXで落として、そしてしばらく聴き入る。世の中には、どんだけ多くのラブソングがあるんやろうか。そのうちのい ....
あなたは去ってしまった
歌だけを残して行った
寂しくなった唇はぬくもりを失い
それでも唄うことだけは忘れなかった
あなたは去ってしまった
私は夢を見ている
眠らない瞳は幻しか見ない
....
愛とはこういうものだと 君が教えてくれた
と、彼は言った
愛とはそういうものだと
私も思った
あなたと私の出逢えた偶然を
例えば明日私が小説にしたとして
あなたは老眼が必要になっても
....
紳士的なあなた
優しいエスコートにもやっと慣れました
紳士的なあなた
夜も真綿で包むように愛してくれます
紳士的なあなた
時には花束を添えて私を喜ばせてください
紳士的なあなた
夜は ....
ぬるいお湯に浸っているようなそんな感覚
ただゆらゆらと水中に自身の姿が見えます
ねぇあなた
私を熱湯で茹でてみる気はありませんか?
私はかつて牛乳でした
牛乳とは不可算名詞である故
固体ではなくましてや個性もありません
それが悪いと言っているのでは無いことを
皆さんには理解していただきたいのですが
そして私がかつて何人を ....
塩辛くも無い涙が
運転中の頬をつたった
滲んだのはフロントガラスか
それとも私の信念か
なんて無力なんだろう
こんな最後になるなんて
力が欲しい
切実にそう思った
もうたく ....
5年ぶりに部屋の大掃除をした
出てきた物は
いらない書類
大量のホコリ
あなたの名前が彫ってある
銀の指輪
ずいぶん酸化していたので
昨日買った銀磨きで拭いてみた
....
この手は何も持っていないのか
教科書をめくり単語を拾い
公教育の真っ只中を走る君に
少しでも伝えたくて
勉強なんて出来なくていい
ただ強くなって欲しい
自分に克つ強さを見せて欲しい
....
私は不幸だわとあなたは呟く
夕焼けが美しかった窓からの風景も
今はただ真っ暗な闇が広がるだけ
不幸だなんて感じた事がないと僕は言う
闇の中に灯台の灯りだけがまたたく
あれは誰かの道標に ....
ぼくのランクはどのくらい?
そんな事を聞かないでください
前の人なんて覚えてないの
ずるいけれどそう答えるしかありません
体を重ねるたびに深まるこの気持ちを
あなたにどうして伝えまし ....
期間に比例しているわけでも
時間に色褪せるわけでも
流されるわけでもない
わずかな期間でも深まり
時間が経つ毎に鮮やかに
時が経つのも忘れる程に
あなたに夢中で在り続けたい
あなたの目に映るものが私に見えてるわけじゃない
あなたの悲しみが私に分かるわけでもない
あなたがどれほど嬉しいかも分かるわけではない
あなたがどれほど不安なのかも
計るメモリがあったとしても
....
今日はチョコと一緒に
私をもらって下さい
過去のあやまちも
未来の反省も
全て丸ごと
私をもらって下さい
そして一月後
一輪のお花をください
愛を込めて
今夜あなたに作ります
乳白色の液体を丁寧に温めて
そう、指に付いたら
舌先できれいに舐め取って
頃合を見計らって
茶色い塊を挿入、いや投入
ドロドロになるまで捏ね回す
....
いつもこの手の中にあると思った
指の隙間から流れて行くと知らずに
だから磨くこともしなかった
だから思い出すことすらしなかった
久方ぶりに取り出そうとして
そこにはもうないとやっと分 ....
夢を見ました
私はあなたの親友を一突きに
殺しました
飛び立って逃げようとする私の足を腕を
あなたはその剣で切り裂きました
熱い痛みが
夢の中のはずなのに
熱い痛みが
私を支配 ....
私が会いたくない時は
無理やりでも会いに来て
私が怒って電話を切ったら
間髪入れずにかけなおしてきて
私が別れを切り出したら
格好悪くてもすがりついて
あなたはそうでなきゃいけないの
....
穴が開きました
私の中にブラックホールのように
かといって何も吸い込まない
多きな穴が開きました
毎日が長くなりました
終わりのない映画の様に
もしかしたらCMかもしれない
とにかく ....
作家になりたいと思いました
けれど私には
ボキャブラリーが足りません
経験も足りません
感情も足りません
つまりは才能の問題なのでしょうか
作家になりたいと思いました
何とかできたの ....
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