泳げない癖に
潜ってみたくて
心に水を張る

そっと目を閉じて
あなたの笑顔を
浮かべるために

帰り道を遠回りして
綺麗に並んだベンチに
座ると冷たくて

あなたを浮かべた
 ....
まだ寒い朝に
部屋の中をうろうろしながら
セーターを着るのが好きだ

ゆっくりと手首を出して
お気に入りの香水を付ける

目には見えないけど
あやとりをするように
混ざり合う体温が
 ....
もうすぐ冬が来て
冷たい空気が肺の中に
幾つも部屋を作る

秘密を抱えたような
答えを出さないような
そんな曖昧なままの熱が
何故か心地よくて
目覚めた朝に頬擦りをした

靴下みた ....
誰かと比べて
落ち込んだら
ただ知らないフリを
するしかなくて

横顔しか見せない
マネキンみたいに
目をそらしていた

照り付ける太陽の下
眩しさに後ろめたさを感じながら
光に ....
ふいに立ち寄った喫茶店のBGMが
雨の音に負けて壊れていく

嫌な事もなければ
良い事もなかった
今年の夏に
折り目を付けられないまま
クリームソーダを飲んでいる

弾ける泡に
何 ....
春風に食べられて
短くなったスカートが
翼のように広がった朝

生暖かい光の中で
伏せた瞳の奥に
あなたが住んでいた

差し出された手は温かく
一度も握らなかったけど
熱があると分 ....
言えなかったままの気持ちが
寂しくならないように
溜め息でリボンを掛けた

悔やんだり喚いたり
全然綺麗じゃないのに
どうして思い出は
心の中で生まれるの

酷かった言葉も
醜かっ ....
静かに流れる時間は
君がいない海のように冷たい

自分を抱いたベッドの中で
溺れそうな朝も
溢れそうな夜も

ひとりになって
冒険するには
言葉だけじゃ足りなくて

思い出みたい ....
ストローに残る
赤い口紅を見て
恋だと思った

消え方を知らない
炎のように燃えて
傷跡みたいな印を
痛々しく刻むから
扉を閉めたんだ

心のいちばん深い場所で
息をしていると
 ....
明るい月の下で
君と過ごす夜が始まる

未来とか希望とか
ぼんやりとしか見えなくても
頭の中から飛び出して
走って行きたい場所が
前だけにあると思っていた

君には僕の知らない
過 ....
誰かを好きになるなんて
思ってもいなかった

形の違うクッキーみたいな
心と心を抱きしめて

ボロボロ泣いたり
ぺろぺろ舐めたり

自分が生き物だって
初めて気が付いた

寂し ....
一緒にいるだけでいい
通り過ぎる車のように
同じ景色を見ていくのなら

瞳の中には何があるでしょう
すれ違った日の涙も
遠ざかった日の踵も
 
あなたじゃなければ
受け止められない
 ....
世の中が白くなる
男の人の髭も
女の人の靴も

ゴツゴツしたものが嫌われて
つるつるしたものが好まれる

私たちは幾つもの坂道を
乗り越えて来たはずなのに
未来へ続く道は
平坦な方 ....
新しい服を着て
君に会いに行く

鏡を見なくても
何故か似合っていると
信じてしまうから

夏よりも短い
自信が生まれる

眩しくて
ソーダ水に混ぜたら
2秒で星になるような
 ....
誰かが別れた時
何かが壊れた時

星が砕けて
ただの石になる

あの時
もっと素直に話せたら
こんな風にはならなかった

後悔はいつも
皿の上からはみ出して
僕の口を汚すんだ
 ....
海の深さが分からなくても
君のことは知りたいだなんて
胸の中は騒めいてる癖に
何も聞けないし
誰も消えないし
僕の代わりに沈黙が鳴いた

いつもは不快なはずの空白が
今日は心地よく開い ....
君に出会って
約束の意味が変わった

ひとりで絡まっていたリボンは
ふたりで結べば羽ばたけるって

僕に空をくれたから
雨でも降らなきゃ
燃え尽きそうだった

いつも僕の少し先を
 ....
またいつか会えると信じてから
どのくらい経つのだろう

何も分からないまま
祈りのような翼を
空に広げて

月曜日の隣に
日曜日を並べたい

あなたを探すために
狂った時間の中で ....
眠りから醒めた夢が
空の中に溶けていく

名前も形も知っているのに
呼べないまま
その弱さでも
鳴らせるものが欲しかった

花が散る時に
ひらひらと聞こえるように
最後まで美しく
 ....
カーテンのない部屋だから
そよ風も吹かなくて
ただひとつの安寧を求めて
四方が囲まれた壁に
背中を預けたりする

この部屋は僕に
出ていけとは言わないから
いつまでも動かずに
付けっ ....
数え切れない唄を歌って
僕は月を目指す
憧れを抱いたままの日々に
許されながら

逃げる場所を探しに来たんだ
春の匂いの中
自分の本音より明るくて
羨ましくて

空が暗くなる頃
 ....
真っ直ぐな道を歩いて
誰にも出会わなかったら
新しいメロディを
口ずさんでみよう

言葉より軽くて
掴めない雲みたいに
形を変えても
信じられるから

ハスキーな声が
光のエフェ ....
こんなに離れているのに
何故あなただと分かるの

窓の軋む音が
月の沈む色が
夜を眠れなくする

きっとあなたは
今もどこかで
困った顔をしながら
身体に絡まった夢を
解けないで ....
固く結んだ唇を
解く時が来た
まだやりたいことがある  
諦めないで夢を見た
何度目の朝でも
バターを塗るように
目標の四隅に
春という風呂敷を広げて
もう一度だけ飛びたい

柔ら ....
僕の住む街に雪が降る
まつ毛の上で休む間もなく
空から落ちて来るものは
どうして冷たいのか

答えが欲しい訳じゃないのに
掴めなかった手が
いま僕の体温を奪って
消えていく雪のように
 ....
二本足で立っている間は人間だった
それなのに
うまくいかない事ばかり

ひざまづき頭を下げていたら
動物みたいに丸くなって
今いる場所を温めてるだけ

誰も触りに来なくても
体温があ ....
夜空を切り裂く光が
万華鏡みたいに泣いて
涙も乾かないうちに
新しい顔をする

打ち上げられた花火を
こんな風に見ている君は
どこかへ行きたいのに
どこへも行けないまま
僕の夏に飛び ....
曲がり切れないカーブは
初恋の人の背中に似ていた

触れたくても逃げていく
それは風のように柔らかく
ほんのちょっとの憧れを
焦がしてしまった
胸の中に太陽がいる

私の瞳だけは
 ....
水平線の向こうに
会いたい人がいる

思い出の中で
着替えをしながら

朝には朝の輪郭で
見つめ合ったりした

鏡のような世界に
生まれてしまったから
映るものは全部
愛してお ....
悪くないのに謝ってみたり
少しでも愛に近づきたくて
誰にも読まれない
目盛りのような隙間で
今日も息をしている

数字を追いかけながら
走るのに疲れても
働いて汗をかいたら
目盛りが ....
ミナト 螢(1000)
タイトル カテゴリ Point 日付
残像自由詩425/12/13 12:29
949-0301自由詩325/11/11 20:29
エントランス自由詩225/10/15 13:17
45度の世界自由詩125/9/25 21:39
クリームソーダ自由詩425/9/11 20:51
共振自由詩125/4/2 12:56
永遠自由詩325/2/13 8:00
青と赤自由詩124/12/16 19:09
自由詩6*24/10/23 11:09
自由詩224/9/25 18:39
異星人自由詩324/9/2 20:29
スクランブルハート自由詩224/8/20 19:30
漂白自由詩224/8/2 19:38
girl meets world自由詩124/7/5 22:05
period自由詩424/6/17 21:00
シフクノオト自由詩424/6/11 22:53
人間開花自由詩324/5/22 19:25
メビウス自由詩224/4/15 22:35
エアリアル自由詩5*24/3/17 14:56
監獄の朝自由詩224/3/4 11:56
ムーンライダー自由詩324/2/19 6:42
即興自由詩324/2/12 19:45
あやとり自由詩124/2/10 15:56
桜前線自由詩324/1/31 22:09
空のあいだ自由詩224/1/20 20:17
夜明け前自由詩224/1/8 18:35
君色花火自由詩323/12/30 12:34
真白自由詩4*23/12/23 14:08
夏の幻自由詩2*23/12/12 21:09
mm自由詩123/12/7 21:20

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