時は風を越えて
嘶く鳥の藻屑を溶かす

はじめて母が「アボジ」「オモニ」と言った今日
はじめて母が自分の言葉に朝鮮を滲ませた

思えば母の話す言葉に朝鮮語はなく
日本の中で生きてきた自分 ....
それがどういうことかわからなくて
聞いてみる

歌は心の柱だ
と言った人がいる

柱はなぜ支えるの?
何が柱なの?
柱はいつから強いの?
柱っていったい何?

例えば君がいるだけ ....
寂しく渡った海
風が撫でている

1948年に何があったかと聞かれて
君は歴史上の出来事を懸命に思い浮かべようとするだろう

僕にとって
1948年は
海と
月と
波に浮かぶ火山島 ....
「碁を打つ女」という小説を読んでいる。原作はフランス語。でも、書いたのは在仏中国人、で、舞台は満州国、主人公は日本軍士官と中国人少女。ちなみにこの小説、フランスの最高の文学賞である「高校生(リサ)が選 .... もう、今年の秋はどうなってんの?

台風だらけジャン。

十三年前を思い出すよ。

僕が中学三年の時のこと、

伊勢湾台風とほぼ同じコースでやってきた台風十九号、

僕の中学の校庭 ....
前略
 冬が過ぎようとしていますが、増すのは、はじめましての鮮やかさです。
 柔らかさが温もりを連れ添う季節ですね。女性の香しさが引き立ち始める春の手前が涼しくさえ感じます。そんな乳白色を好きにな ....
先日、ふとしたきっかけで、在日朝鮮人一世の詩人であられる金時鐘先生のことを思い出す。昨年七月初めにお酒を一緒にする機会があって、その時のことを思い出したのだ。

 あの時先生に言われた言葉で強烈に ....
痛い喉を掻き回して
僕は言葉を紡ぐ

海峡の向こうの島を
懐古と共に
たぎらせては
静粛の木の葉を
この手にとる

歌よ
波音に掻き消されし
声よ

あなた と照らされた
 ....
このはずく

みえてみえなく

からからと

ころけころから

ながれます

びゅーびゅー

かぜが かなでては

ちんそりそらり

えがきます

りんご ばな ....
  隔てれば遠くなるのでしょうか
  確かに幼子は海辺遊びを
  憶い出します

  その頃
  銃弾で命を奪われた
  腐乱の進んだ死体達が
  幾重にも土の中に放り込まれたといいます ....
・終わったのは私ではなく 時代でした
・眼差しを反す。もう振り返らない
・わからないことにこそ創造がある
・歴史を知れば頑なになる
・正しい言葉ではなく生きている言葉を俺にくれ
・腹が立つ容 ....
口元がかすかに微笑む
揺りかごにつつまれて
眠りは穏やかに
進むときを幸せにする

小さい手は てのひらを隠すぐらい
いっぱいに 握りしめられていて
産声の 限りなく叫んでいるような
 ....
AとBとCとDとEとFの六人の日本人が居酒屋で一緒に酒を飲んでいる。
AがBに聞いた
 「ねえ、お前って古くからの日本人の血以外で何処の国の血が混ざってる?」
Bが答えた
 「俺の父方の曾祖父 ....
牛車を曳く農夫
遠くを望む展望鏡のすぐ目の前には
トーチカが控えていて
漢江は緩緩と流れている

車は無く、舗装された道さえ知らないであろう人々が
彼らは幸せを感じているのだろうかと思える ....
「海のような空」と言った時
幸は詩人になった

果てしなく拡がる青は
幸に詩を届けた

鳳凰三山から伸びる
空の清々に
視線を送る眼差しは
心なしか詩人であった

そんな詩人は好 ....
流す涙が注がれる海の
波はどこかで戯れながら
それが愛なのか恋なのか
やりとりして
見えるテレパシーと
見えない抱擁で喘ぐ君の
声の高らかさが
散る

どこから来ようと
今の営みが ....
一輪の花

辺りに仲間もいないのに

ぽつんと咲き続けるのは勇気のいることだろう

なのに世の中そういう尊さに気づかない人も多いのだ
少女にはペニスがついていました
 ので、親に内緒で
勃起する思春期だったといいます

少女がはじめて男と交わったのは十八の時
大して変わらぬ歳の子といたしたのですが
どうも相手もはじめてだ ....
九歳の子供が背広を着て介護ホームで
おじいさんしてる

     そして

九十一歳の白装束を着た人が
火葬場の火の中で
おっぱいを吸っている
最近、「思い至らなさ」について考えている。

良く、分かり合う、とか、理解しあう、なんて言うけど、育った環境が違うもの同士がいったい何処から何処まで分かり合ったり、理解しあえるというのだろう。はな ....
ふと鳴るクンの音

風を切るククンの音(ククン ククン ククン ククン・……)

こだましてタッが裂き

呼び戻してまたククンが咲く(ククン ククンタッ ククン ククンタッ……)

小 ....
道 たんぽぽ 笑い声
父 温もり 母
私はその時子供だった

息 白い 細波
私は 歩む
薄い 夏 戯れ

昔 いつ うしお潮は
果てなく沈む日の
向こうにも続く

それがクニ ....
ちきゅうはまるいから ぼくらはこのほしのちゅうしんにむかってあしをのばしてあるいている そらはどこでもあおいから ぼくたちはいつでもすがすがしくいられる チャンゴやテグムやアリランやプチェチュムをしら .... 小さな鳥
青空は狭くて
泣き声は飛ぶ

都会の喧騒が過ぎ去った朝は
いつも汚い


それは満員電車の人だかりに
揉まれるばかりではない

空ろとけだるさと真新しい光が混ざる朝は ....
はらだよしひろ(54)
タイトル カテゴリ Point 日付
アボジ自由詩604/12/24 2:00
同じアリランの狭間で自由詩204/12/15 0:59
虐殺風化[group]自由詩004/11/15 0:24
「碁を打つ女」から日本文学界の無意識な排他性に気付く散文(批評 ...204/10/28 0:20
台風の心未詩・独白104/10/21 19:19
見知らぬ人へのラブレター 〜桜の手前〜未詩・独白204/10/11 0:02
君が今まで読んだ全ての本を思い出してごらんなさい。それが君と ...散文(批評 ...504/10/10 23:56
海の木の葉自由詩204/10/10 23:52
あきちゃん自由詩1*04/10/9 14:02
済州島4・3事件へのオマージュ自由詩204/10/8 23:51
一言集未詩・独白104/10/7 0:10
生意気さんカサカサさん自由詩004/10/6 23:54
二〇〇年後の日本人同士の会話自由詩504/10/5 21:42
オドゥ山統一展望台から見る詩自由詩404/10/4 0:26
幸(さち)自由詩404/10/2 15:48
命が欲しい自由詩204/10/1 22:25
一輪の花未詩・独白104/9/27 23:18
男性具有少女未詩・独白304/9/26 14:33
連生自由詩304/9/26 11:35
「思い至らなさ」と想像力散文(批評 ...604/9/25 11:41
タスリム自由詩1*04/9/23 21:52
在るということ自由詩304/9/20 20:49
そして地球は今でも青かった。自由詩204/9/20 8:04
静かな朝自由詩204/9/18 23:32

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