春の雨だ
激しい弾丸だ
貫かれて
雪はかすかに呻く
輝きは失われ
疲れて
蝋のように溶けてゆく身体
止める術はない
木々は目を覚ましている
鳥たちも気づいている
この叩きつ ....
六月の雨のように優しい歌を女は
歌いたい と思った
穏やかな雨は
静かに大地を潤し
木々に柔らかな緑の葉を育てる
埃を払い
全てを清め
紫陽花の青を鮮やかにする
八月の情熱を胸 ....
日差しが
雪を溶かしてゆく
ごめんね、冬。
あなたがゆくのを
哀しんでいられない
ネコヤナギの枝の先の銀色
樹液がそこまで
流れはじめたように
私の中の血液も流れはじめた
....
音もなく降る雪
泣いているのかもしれない
白い
空の向こうで
殺された小さな手と
殺した大きな手
どちらもあなたに似せて造られた手
耐え難く
愛しい
泣いているのかもしれない ....
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