公園の池に春の息が降る
カラスとスズメは仲良く行水
透きとおる雪解け水
底に眠っていた紅葉が
差し込む陽で目を覚ます
金魚のように泡を一つ
ゆらゆらと揺れている
月に舞う黄水晶の羽根
泣き虫の雫を拾い上げ
黄色い花に変えていく
雲の切れ間から漏れる陽は
空の花壇に咲く花のよう
恋をした女の子が駆け寄って
白い花に秘密を置いて行った
私は蜜で包んで隠してあげる
羽の先に春の色を塗って
冬に咲いて人の心を温める
蘭の妖精は見るものすべて
自分と同じ運命にしたがる

瞳の淵に打ち寄せる涙は
あなたの勇気を鮮やかにする
乾いたままじゃ進めない道が ....
春を待つ森の
細いつるは
ほつれ髪

生まれたての春風が
よちよち歩きで髪をとく

手を振るようにつるは揺れ
妖精はコートを脱ぐ時を知る
私は奇形児

心まで針金で固定できると信じてる人間

私の醜い姿を山の仲間はどう思う?

ああ自然に自由に生きたい

私は奇形
私は奇形

こんな姿誰にも見られたくない

 ....
さざ波が砂鉄で文字を描く
流れついたクルミを
ウミネコが掴んでいく

辞めた訳など聞かないで
ただ愛が枯れただけ
仕事に片思いしてただけ

疲れた心にあったはずの
幸運の四つ葉を ....
春咲きの赤い花が
太い茎の先で私を見てる

大きな花の中で
妖精は座っている
花粉をちょこんと
鼻に付けて

窓を開けて風を招く
赤い帽子の妖精もどうぞ
ごくろうさま

大 ....
自由に集い
株分けした苗を
持てるだけ抱く
好きな花を選び
誰の指示もいらない

喜びは自分で創るもの
雑音に一喜一憂しない
濁った気持ちを持ったなら
花は枯れてしまうでしょう
 ....
冬の地平線で
オリーブをくわえる星
まだ長い旅の途中
羽根を広げて
ノアの船に帰っていく
バラの妖精に恋した
赤鬼の女の子
刺を角にして
ほらバラになったよ
妖精のような笑顔

今も残る鬼の俎に腰掛けて
思い出すのは
今はいない友達のこと

鬼の俎でお昼寝すれば
 ....
春の妖精という名の絵が一枚
フィリン・フラワー・シール
裏に書かれたのは名前だろうか
あつ子の母が今のあつ子と
同じ年のときに描いた絵

ビー玉をこぼしたような羽根
トンボ玉のイヤリ ....
雪を掘るカラス
凍らせた
内緒のおやつ

雪に埋めた太陽
熟すのを待つ
少しほんの少し

飛んでくる
恋人が見えてきた
デザートを広げる

あっと言う間に
柿の実は溶け出 ....
あなたの名前が花びらのように
空を覆いつくすように散って
陽が透けて頬に差せば
私は妖精になって昇っていく
小さな幸運の光の中へ

秋祭りの金魚は
こんなに大きくなりました
今は金 ....
どれだけ眠っていただろう
首を横に倒した分だけ
太陽は枝の隙間を渡る

多羅葉の葉の匂い
胸に一枚置かれた言葉
ただひとこと妖精の文字
こんにちはと書かれていた

ありがとうと返 ....
時間は送料無料でやって来ると思っていたが
莫大な着払いで去っていく
あふれる涙は目薬のように
記憶を鮮明にする

数えきれぬほど逆さにして
割れた砂時計の記憶

泡のように雪のように
ハマヒサカキが砂浜に咲く

去りゆく季節の鳴き声
カモメの足 ....
雪を薄く剥いで
夜光虫にして飛ばす
私の子供たち
雪の森は水族館
あなたの涙をビーズにして
空になった薬のビンにいれましょう
寂しいときは手のひらの
陽だまりにこぼしましょう
一つ一つ心に溶かせば
懐かしくて震えてしまう
今なら思う
涙でも幸せだっ ....
秋に集めた椿の種が
ドングリと一緒に
引き出しの奥から出てきた

髪の長い妖精がやって来て
油にしましょうと言った

髪につけるの?と聞いたら
いいえと笑った

ドーナツを作っ ....
雪解けの頃
春の宇宙を飛ぶ

はるか昔まだ白かったカラス
雪を創っていた

アポロンを恋人殺しにした罪
黒く塗られ言葉を取られ

光る星さえ与えられず
宇宙の空におかれる

 ....
オルフェウスがアポロンに
竪琴を弾いて涙する
今夜が最後ですと

明日一つの彗星が
はくちょうになって
天に昇ります
それがあなたが見る
私の最後の姿です
卵を二つ置いてゆきます ....
氷が一つ溶けもせず
小川を流れていく
朝日に照らされ
蒸気の煌きのなかに
妖精の輪郭が見える
淡い黄色の羽根
早咲きのすみれが岸に並ぶ
順番に落ちる雫の音は
春をつげる目覚まし時計 ....
白い陶器のマリアに
黄色いリボンをかけたら
春の妖精になった

優しい心が生まれた

心という字は妖精に似てる
雪の精に誘惑された夢を見た
一緒に帰ろうと言った

溶けて消えてしまうのが
怖いと泣いていた

昨日の雪だるまはもう無い

白い陶器のマリアに
黄色いリボンをかけたら
春の妖精 ....
あなたが触れたものすべて
花になっていく
花粉が涙にとけていく
人生は花壇を繰り返し
つくっているようなもの
日に焼けた蜜の匂い
花嫁の気持ちを
色と形にした花びら
葉に隠れた妖精は
温かな波の音聞きながら
明日のために花冠を編む
妖精は深夜ドレスに掛けて
祈りを捧げて帰っていく
海が見え ....
花を知らない砂漠の女王
ミルフィオリの花を
いつか手渡してくれた人
砂漠に星の種を蒔く人

いつか一緒に行こうと言った
花を見に行こうと言った
ガラスじゃない息をする花を

いま ....
花びらを数えて
花びらに乗って
花びらで夢を見る

砂浜で雪を枕に
眠る貝殻のように
白く光る花びら

あなたの髪にいちまい
妖精がさして言う
私の口ぐせを
一人の部屋で
バラを見つめる
赤と黄色とオレンジ

花束を花瓶から抜き取り
茎を縛りぶら下げる

最後にもらった花束
あなたといた時間を
私はここに閉じ込める
ドライフラワーの ....
丘白月(577)
タイトル カテゴリ Point 日付
雪解けの公園で自由詩020/2/20 21:23
シクノチェスの妖精自由詩020/2/20 21:22
羽衣ジャスミンの妖精自由詩020/2/20 21:22
カランセの妖精自由詩120/2/19 19:09
つる薔薇の妖精自由詩020/2/19 19:08
盆栽が言うには自由詩1+*20/2/19 7:56
フルーツ&フルート自由詩120/2/11 21:59
アマリリスの妖精自由詩020/2/11 21:58
妖精株式会社自由詩120/2/11 21:58
はと座自由詩120/2/10 21:36
明日香村の妖精自由詩120/2/10 21:36
妖精の肖像画自由詩120/2/10 21:35
夕日のアイス自由詩320/2/9 11:04
あなたは花だった自由詩020/2/9 11:03
葉書の木の妖精自由詩120/2/9 11:02
未来自由詩020/2/8 8:09
砂時計をもう一度自由詩020/2/7 8:10
クラゲの妖精自由詩120/2/7 8:09
涙の処方箋自由詩220/2/2 19:12
妖精のドーナツ自由詩020/2/2 19:11
からす座自由詩020/2/2 19:10
双子座の妖精自由詩020/1/30 21:14
春の目覚まし時計自由詩020/1/30 21:13
春のマリア自由詩020/1/30 21:13
白い惑星自由詩120/1/28 21:59
花の錬金術自由詩1*20/1/28 21:59
プルメリアの妖精自由詩020/1/28 21:58
砂漠の女王がみる夢自由詩120/1/26 19:35
妖精のかんざし自由詩020/1/26 19:33
乾いた時間自由詩020/1/26 19:30

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