純白に燃えて光る
おとめ座のスピカ
真珠のイヤリング
砂浜に片方埋めて
打ち寄せる涙で
あなたの愛を確かめる
どんなに好きでも
言葉も泡になる
青白く光る涙
波が眠る桜貝を
夜空に ....
屋根よりもずっと
高いヒマラヤスギ
私が生まれるずっと前から
この街が出来る前から
あなたはずっと生きてきて
誰よりも何でも知ってる
すべてを見ていたのね
綺麗な緑色の松葉の恋人
もう ....
青空が太陽を包み
誰にも気付かれないように
内緒で降るひな菊の種
フェリシアの魔法で
夢から覚めて
青い花びらが
空を大地に咲かせる
遥かな海のように
波の中で泳ぎ
風に揺れ ....
何も言わなくてもいいの
あなたがしてくれたこと
忘れることなどできない
とても幸せな時を歩いてきた
風が埃をはらって
雨が行く先を洗って
太陽が遠く見守っていた
心配しないでいいの
怖 ....
悲しい色をした
涙を雨でうすめたような
白い白いため息が
空に昇っていく
銀河に棲む妖精が
ひとつひとつ集めて
星に変えて並べていく
果てしない宇宙に
天の川が流れていく
キ ....
君は澄んだ目をしてる
さっきまで泣いていたと
逢う時はいつも言ってたね
生まれてから今日まで
辛いことばかりだったね
でも泣くたびに濾過されて
あの悲しい鼓動も
切れそうな息も
....
唇に冬の終わりの匂いが揺れる
風を運んでくる妖精も
まいにち春の種を蒔く
畳の目一つづつ
陽が伸びてゆく
昼下がりの木陰も
少しづつ色が濃くなって
恋人の歩く道には
妖精が魔法をか ....
眠れない夜の真ん中で
僕は一人過去に入り込む
いつからだろうか
誰のせいなのだろう
どんなに探しても
考えてみても
夢の中で夢をみてるだけ
ひとつのゲームが終わりに近づく
過去の自分の ....
枝に置かれた
ぬいぐるみのように
ムクドリが並んで
眠っている
頬を寄せあって
頭には雪が綿毛のように
積もったままで
目を閉じている
ムクドリたちの巣は
雪を生んだあの雲
....
音もなく雨が
鳥の羽根に乗って
木立ちの枝を滑って
猫のしっぽにくっついて
雨はどこまで行くのだろう
楽しんでいるのだろうか
綺麗な雨がこぼれていく
誰か拾って下さいな
あなた ....
足元の春を越えて
いつもの朝が
バス停を通り過ぎて
橋の上から流れる朝日を見た
足元の蕾をよけて
春の色した風が
公園のベンチで休んで
明日は咲くよと言った
青空半分は宇宙の色 ....
九輪草の妖精が二人
空に手が届く山で
手をつなぎ
羽根を寄せあって
幸せそうに踊る
小さく可愛い桃色の花
虹で束ねたコサージュ
美しいドレスによく似合う
ゆっくりと
ささ ....
雨がポツリポツリと
傘をたたく
低い音
高い音
いろんな音色が
傘を滑って落ちていく
言葉が聞こえる
雨音の中に
妖精が言葉を
降らせている
私に気づいて欲しいと
雨 ....
ミツバチが
回覧板を抱いて
モンシロチョウに渡す
見出しは
「春の便りが届いたよ」
森の四季を綴った回覧板
シロツメクサの妖精から
デージーの妖精に手渡しされ
二人で仲良く読ん ....
いい匂いだね
春の香りがするね
子どもたちが見上げていく
路地の垣根を越えて
ジンチョウゲの花が
朝焼けに赤く染まる
朝の窓辺に
香りが届けられる
遠く離れたあなたの街へも
....
流れていく
どこまでも
雪のカケラに
跳ねながら
冬の夕日は
冷たく悲しく
最後に見た
涙によく似てる
公園の噴水が
夕日を集めて
花火のように
水面で踊ってる
星 ....
レースフラワーの妖精が
恥ずかしそうに
真っ白な雪で作った
優しく美しい六花を
ワンピースに飾って
雪の精を気取ってみる
白い白い小さな花の束
手を伸ばして
一生懸命抱えて
....
桃の花が咲いた
雛人形の頬の色
お姫様の唇のような
二人並んで
庭の桃を見てる
狭い箱から出されて
眩しい世界を
少しづつ分かち合う
桃色に透ける羽根が
いくつも飛んでいる
....
君がいなくなってから
影ばかり追いかけてる
誰も居ない部屋で
帰ってくるはずもない
君の足音を探してる
網戸に残る去年の
タンポポの種
タンスにしまったままの
一度も着ていない ....
時計の針が
あなたと私の間に
さよならを積み重ねていく
もう少し夢を見ていたいわ
命はあっという間だから
見つめていたいだけ
ぬくもりが時間の隙間に
隠れていくようでこわいの
....
夜空の色をした
深い紫色のスミレ
蝶の羽根のように
まるく薄いスミレ
空に生まれた雪が
大地深く濾過されて
一つの季節をかけて
根のストローにとどく
春の日差しに輝いて ....
青い空と白い雲が
草原と仲良く
手をつないでる
ポピーの国の草原で
太陽が生まれて
月が歩いていく
細い茎の先に
いくつもの命が揺れて
昼寝を楽しんでいる
ポピーの妖精が ....
二階の屋根まで届く
ミモザの花が
風に小さく揺れ
春の香りを小径に並べて
猫を誘っている
遠い昔に塗られた白い壁
大正時代の洋館で
満月の夜に
女の子が妖精と一緒に
ミモザの種を ....
なんど買ったのだろう
手のひらに重なって
溢れて落ちるほどに
どれも涙が滲みて
愛の文字が滲んでしまった
あなたに逢おうとして
あなたに逢うために
毎日あの駅へ
切符を買い ....
雪が敷き詰められた森で
夜通し踊る月の子
モミの精霊が
森の入口に
夢の入口を造る
光の渦の中で
夢を見る
故郷の夢を
流星が枝に落ちて
雪が踊り子に舞う
粉雪のド ....
助手席に置いたバラが
なんだか君が抱いているようで
涙が溢れてくる
車の中にたしかに君がいる
くもったガラスに
君の顔がうかぶ
泣かないでと大勢の妖精が言ってる
数えきれない色が ....
お寺の大きな瓦屋根が
揺れたと思ったら
空に飛んでいった
真っ黒な瓦が
軽々と空に舞った
庭に降りて雪を食べる
そんなに食べても
白い羽根にはならないよ
たぶん分かっている ....
はじめて星を見た時を
あなたは覚えているかしら
私は覚えているの
外国の街の灯りだと思ったの
だってあんなに遠いんだもの
遠い遠い外国だと思ったの
外国なんて意味も ....
妖精は数えている
何度あの月が
私を越えていったか
金星だって知っている
夜明けに何度あの妖精が
枕元で涙を拭いてくれたか
あの頃は愛が生まれたばかりで
毎日が輝いていたから
....
空を切取って
心の中に貼ってみる
鳥になりたいと思ってた
大好きな人に
いつでも逢えるように
風をたくさんポケットに詰めた
真っ赤な野バラが凍る
月あかりの中で
蝋燭のように燃 ....
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