シャッターの降りた渋谷駅
俺たちはいっときの往生に浮かれ騒いでいた
生きることがあまりに長すぎて
なのに
なんの気まぐれか
俺はひとりになった
真夜中の交差点
で
ひとり撥ねら ....
夏の片隅──朽ち果てた蝉の亡骸
群れた蟻が{ルビ解体=バラ}していく
勤勉にも 休むことなく
{ルビ解体=バラ}されていく生の名残り……
ひとつの死の後先に
夏もやがては夕暮れ
....
見ると木には柿のような実がなっている
もっじく手立てがわからないぼくはいつもダメにしてしまう
たまにうまいこともっじいてみても籠のなかで腐らせる
図鑑をのぞけば似たようなものが載っている
....
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