黒い鳥の群れに暴かれた骨を
驟雨に洗いながら
わたしは
晩夏の灼熱に焼け爛れた
向日葵を見上げていた
わたしは聞いていた
草いきれすら霞む腐臭のなかで
瑞々しい血肉の底、重く豊かな脈 ....
羊が鳴いている
嵐の吹き荒れる草原に
たった一匹だけで
メェメェ、と
あの羊は
はぐれた仲間の群れを
呼んでいるのか
ずっとメェメェと
鳴き続けているだけ
あの羊を
わたし ....
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逢坂 冬子(2)
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| タイトル |
カテゴリ |
Point |
日付 |
| 晩夏 | 自由詩 | 7* | 22/8/21 12:57 |
| 羊 | 自由詩 | 9* | 22/8/12 1:21 |
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