蝶々結びになっていた指をほどいて、

今はとてもあわくしろい、

わたしたちから剥いでいったシーツをヒシと掴んで、
数珠繋ぎになった看護師たちが、
屋上へ舞い上がっていく、

手垢でも ....
 草上に敷いた薄水色の布へ、サンドイッチとサラダを置いたまま、わたしはときどき長い草や砂利に足を取られつつ、川の近くへ降りていった。川と草の境目で、ぐらつく石にのるわたしへ、あなたは、手を振った。振っ .... こうえんの隅に描かれていた、
てんしの横顔を見て、

「祈りという文字は、ずきずきするから、いのり、へとひらかれていく、」

と、書きつけたくて、あたしがノートをひらくとき、

回転扉の ....
こうえんの隅に描かれていた、てんしの横顔を見て、
「祈りという文字は、ずきずきするから、いのり、へとひらかれていく、」
と、書きつけたくて、あたしがノートをひらくとき、

回転扉のむこうでは、 ....
 祖母に顔を見せるため、とにかく暑い中、久しぶりに実家へ帰る道すがらのことだった。
 くたびれた半袖のシャツに、ベージュのハーフパンツを履いた六十代くらいの男性が、喫茶店の席に座ってゆで卵の殻を剥い ....
 母との待ち合わせ場所へ行くには、駅からかなり歩かねばならなかった。この場所のように、都市とそのベッドタウンと、そのベッドタウンではたらく人々が仕事以外の生活をする場所に、まだ適切な名称はないのだろう .... (妻を忘れるため、父は随分前に出かけた、)

水分をかんじなくなったという母は、
乾燥を終えて、洗濯機から飛び出すとうめいな犬たちを、
外へ放ちつづけている、
犬たちは、夜中に作られて、朝に ....
 英子おばさんの胸を破って、無数のレオが現れる、

  三等船室でこの上なく楽しくポルカを踊り、
 憂鬱の種をめざとく見つけだして、死を迎えるロミオが、
パイロットの制服を着て、離陸の瞬間に肩 ....
 ダイニングテーブルに突っ伏して眠っていたわたしを起こしたのは、携帯の着信音だった。積まれた本、レポート用紙、ボールペンたちにipadをざっと左手で、もがく様にどかして、携帯の液晶画面に触れる。布団以 .... 丸の内駅のホームで、あなたを見かけたとき、BOSEのヘッドホンから聞こえていた音楽より、脈がバクバク鳴る音のほうがはるかに大きくて、動けなくなった。まるで、両方の靴が触れている地面から、たった今足が二 ....
パンジーの切先(ハツ)(10)
タイトル カテゴリ Point 日付
あわくしろい日々自由詩525/1/17 0:08
帰るべき家自由詩724/10/16 9:46
暗号ver2自由詩424/9/11 4:30
暗号自由詩424/8/13 0:59
羽(加筆した結果、散文に投稿することにしました)散文(批評 ...324/7/29 1:57
タイトルを持たない、散文(批評 ...124/7/17 22:57
水分をかんじない自由詩624/6/30 19:31
波打つ胸へ沈む、船が自由詩324/6/3 22:35
violet散文(批評 ...224/3/20 21:25
あなたのかたまり自由詩424/3/6 18:12

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