前後不覚の不自由に陥るのもまた自由と言い訳し、自由のためだと酒を呑む
ポーズをとるために飲むのだが、「喉で渦巻く概念を飲み下すためだよ」と誰にでもなく言い訳し、大仰な仕草でちょびちょび呷る
孤独の ....
どう生きるかではなく、どう死ぬかを念頭に生きる人生の矛盾
眼に入れたい程恋しい品が手に落ちた時には、棺に横たわる自身の萎びた手に握られていることを思う
また、理解しあえなかった人々の思考の片隅 ....
今日も今日とて怠惰な日常を描く が、白一色に不安を覚えたためより刺激的な不安で塗り替える
手首に切れ目を入れ、心には縫い目を入れる
体を巡る血の濃い赤は、人間らしい人間であることを証明してはくれな ....
住処にて恵方巻を食べる からかう者、不意に驚かす者部屋になし 故に閑静の中無言で平らげること易し
しかしこの無音の安心による無言の保証、招福足りうるであろうか 猜疑するも、無言の誓いによる招福は寂寥 ....
おのが尾の影捕らえんと 愚昧な獣がその場を回る
そのうち獣は飽きたのか 疲れた顔で泣きついた
僕もまた、己の影を捕らえんと 勇んでその場を回ってみたが とうとう精根尽き果てて、泣き方知らずに影落ち ....
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