「詩んでみようか」
「うん、死んでみよう」
ひとりぼっちになった宇津木は
歩行者信号の自主性を問うのです
アルチュールみたいに口をひん曲げて
錆びたボルトをこめかみに
「すいさいど ....
渋谷公会堂の手前
吝嗇のアルマーニと蛇腹が
欠損
マルティプライしますか
一時
二つ並んだ足音
三つ数えるあいだ
オフィーリアもどきは慾に溶けた
渋谷
肌色のつぼみの肌
は浮沈 ....
火曜日は華奢だから
水曜日にはいつも勝てない
真夜中にかけられた時計は
秒針を
文字盤といっしょに
廻している
そしらぬふりで廻している
夕焼けの嘆息、きぬごし、
漏れた光を褥とし、
少年のまどろみ。
春風が、ひとしきり、
染められた、創傷のある、頬をなで、
現実を匂わす。
少年、嘆息するが、
ひらり、
こればか ....
「あんたおかしいと思うよ、たぶんね」
耳元で囁いているトム・ヨークの台詞は意味を持たないから、ゴミ収集車のにおいがまったくミルクなのも仕方がない。
年季の入った木造に挟まれた道を行く。 ....
プリッツのサラダ味はサラダの味がしない
どうしようもなくサラダ味なんだ
それはプリッツの味じゃなく
まったくもってサラダ味だったんだ
0.07sec.