「もしもし」

    「もしもし」

「”煙と工場”ですか?」

    「はいそうです」

「生きてますか?」

    「生きてます」

「どうやって」

    ....
 「死んだ」ということは
 「奇跡が起こらない」ということ

  だから
  生きなさい
愛する者よ
貴方は私を憎む
私が貴方を愛することを知らず
貴方は私を憎む

愛する者よ
この世はなんと
憎悪に満ちていることか!
多くの憎悪に耳を傾けず
貴方を愛する私を憎む

 ....
言葉がどんどん
自分を裏切って
荒野で
一人ぼっち

ぽつんと
足をかかえて
待っていてくれた言葉だけを
つかんで
抱きしめろ
おれは
自分が
自由ではないので
旅に出た

携帯電話はおいてきた
ノートは捨ててきた
さあ出発だ

自転車のペダルを
 漕げば
 漕げば
自由が
 溢れ出す
 溢れ出す
 ....
おまえの孤独は

  おちんこをおまんこに
  入れる

あるいは

  おまんこにおちんこが
  入れられる


直ってしまう
ようなものだ


「  自慰しなさい  ....
おれの靴には

穴が開いていて

幸せが漏れ出している
見えない手紙が届く

「私は個性的でありたいのです。誰よりもかっこよく一人の私としてありたいのです」


見えない手紙ならば
やぎも食うまい
しかし
やぎがいないので
返事が届くのか ....
街は平和だ
何も起きない
長く続く日常
あまりにも
平和なので
皆が退屈そうな目をして
携帯電話の画面を見ている


あるとき
知り合いが死んだ
これは他殺でもなく自殺でもない
 ....
「寂しいとうさぎは死んでしまうんだよ」
と言うセリフのあるドラマが放映されて
幾何の月日が
流れただろうか
今や
誰が
うさぎではないと
自信を持って
言えるのだろうか
今すぐ空を解体せよ
今すぐ空を解体せよ
今すぐ空を解体せよ

人を恐怖に陥れ
不安と断絶に叩き込み
安楽を希望とし
不快感を絶望とする
空を解体せよ

孤独でうち震えている一人の少 ....
谷間は
大きく深くて
ゴールは向こう側だ
なものだから
俺は
谷間を覗きこんでは
足を震わせていた


あるとき
君が向こう側にいた
俺はわからないままに
跳んでみた

す ....
あるとき
あるやまに
一匹のくまが
すんでいました

このくまは
でくのぼうで
やくたたずなので
みなから
ののしられ
ばかにされ
つばをはかれて
いました

しかし
こ ....
帰路の途中に
いっぽんのイチョウの木
並木にあるわけでなく
小汚ない公園の中に
ぽつんと立っている
小汚ない公園だが
イチョウの木は
実に堂々としていた

彼が何十年
生きて来たか ....
誰もいない小屋には
誰もいないので
屋根に雪が降っても
積もるばかりで

誰もいない小屋には
誰もいない部屋の片隅で
蜘蛛がぢっと巣を張って

誰もいない小屋に飾られた
日に焼けた ....
この前
青白い顔をして
「死にたい」
と言う客が
いましたので

僕は宮沢賢治にならって
「怖がらなくてもいい」
と言ったところ
「私はそんな事を聞きに
 きたんじゃない」と
ぷ ....
 
 この電車は
 各駅には止まりますが 
 貴方の目的地には
 止まりません
 
ある時
うさぎは
森の中を
大声で叫びながら
走っていた

「たいへんだ
 たいへんだ
 ぼくはおおきなゆううつに
 おしつぶされて
 しにそうだ」

動物たちには
「ゆうう ....
話せば
話すほど
遠くなり

集まれば
集まるほど
孤独になる
とある図書館では
借し出しをするときに
「ありがとう」
と言う
「ありがとう」
だなんて

本当は
「ありがとう」
というのは
僕のほうで
これで煙草も
買えるようになった
 ....
とある屋台に座ると
目録には
 ラーメン
 日本酒
 ビール
そういったものの他に
 月
があって

「この月はなんですか」
と聞いたら
真っ黒などんぶりに
水を並々とそそがれ ....
絶望を語る人は
絶望を語る上において
楽しそうだ

恋の苦しみを語る人は
恋の苦しみを語る上において
楽しそうだ

国を憂うことを語る人は
国を憂うことを語る上において
楽しそうだ ....
画用紙を一枚買ってきて
その白紙の表面を
ゆるゆると眺めている
というのは
白紙の上には
万有の世界が
広がっているからだ

私の古臭いアパートから
宇宙が点に見えるほどの外部まで
 ....
うさぎは
「じぶんが
あいされていない」と
かんがえたので
みずうみに
みを
ひたしました

つぎのひ
ぽっかりとうかんだ
うさぎのからだをみた
どうぶつたちは
このようにしゃ ....
昼に目覚め
夕を知らずして
去る小鳥は
惨めであろうか

否 そうではない
というのは
小鳥は
夕日によって
目を焼くことは
なかったのだから

(夕日が真赤に染める
 ので ....
ばーんと
地面を蹴って
宇宙へ飛び立て

境界線も
国境線も
地平線も
踏み抜いて
何処かへ着地

満点なんて取れないよ
傍目から見りゃ
不細工なペンギンだ
両手広げても
 ....
僕は唐突に飽きてしまった

 恋の切なさ
 生活の断片
 死の深遠
 生の歓喜
 家族の穏やかさ
 若者の激しさ
 社会の矛盾
 個人の孤独に

 無駄に難解にしていたり
 や ....
体の奥深くで
蛆が沸いている

ぐちゃぐちゃと
醜い音を出して
蛆が蠢いている

しかし
この蛆が
何時しか身体を食潰し
その排泄物が
大地に蓄えられ

大きな木を
美しい ....
 
 お前が死ぬか

 お前以外が死ぬか

 どちらかだ
 
とんとんとん…
扉の向うで音が
聞こえてくる

くらいよ
くらいよ
くらいよ

なにもみえないよ
なにもみえないよ
なにもみえないよ

扉を開けてやりたい
ところだが
残念 ....
煙と工場(44)
タイトル カテゴリ Point 日付
じこしょうかい自由詩009/12/21 3:01
自分から自分へ自由詩108/12/21 4:59
愛する者へ自由詩008/12/10 16:31
彼岸で待つ自由詩108/12/9 6:33
そんな器ではないらしい自由詩108/11/16 19:00
自戒自由詩108/11/15 17:35
すりへった帰結自由詩008/11/14 19:57
こせいをたいせつに自由詩407/1/28 22:53
平和戦争[group]自由詩407/1/28 22:21
孤独にうち震えろ小さな魂自由詩307/1/26 3:15
今すぐ空を解体せよ自由詩406/12/22 2:19
深淵よりも高く跳べ自由詩206/12/19 0:06
限無く尊厳に近い黙祷を自由詩106/12/17 23:44
五十年の孤独すら希望自由詩106/12/16 14:14
誰もいない小屋でした自由詩405/1/27 10:32
貴方はどんな言葉が聞きたかったんだ自由詩805/1/27 0:20
巷でよく見る警告自由詩605/1/24 13:08
言うだけならタダ自由詩705/1/24 9:30
反比例と正比例の交錯地点自由詩205/1/22 22:19
いつも大事なところで言い損なう自由詩405/1/21 2:35
文明開化の音を探す自由詩605/1/20 16:03
賢者は多くを語らないと想像していたい自由詩1305/1/19 9:11
ロケットの中の顕微鏡でも見られない世界を見てみたい自由詩205/1/19 8:50
さようならの一つくらい言えるようにはなっていたい自由詩1305/1/17 5:53
再起しそして回帰する自由詩105/1/14 13:51
不健全な肉体も健全な肉体も騒げ叫べ自由詩005/1/14 0:27
なかなか新しいことなんて思いつかないね未詩・独白005/1/11 0:54
食物連鎖から創出自由詩005/1/10 20:57
持久戦自由詩005/1/10 13:39
見出せ脱出線自由詩005/1/7 0:23

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