ぱちっと割れるしゃぼん玉を
虫とり網で掬いとる

記憶がどこかでぱちんと鳴る
時の暗渠にぱちんと

まばたきが追った
睫毛がふさ と

眼はどこまでも追う

まばたきの一瞬に
 ....
葉を重ね
宙に浮かぶ平石を飼う

重みはズンズンと増すが
平石は頭上斜め上にとどまったまま

全体重を僕にたくす
それは背骨に水平に置かれた陸亀の甲羅の
重さと等し ....
からんからん頭が鳴るんだろう

夏卵、夏卵


カラン [kraan]    

蛇口をひねると水道管の奥で
金具と流水のかなでる耳鳴りのような
凍えた響きが

どこ ....
星がね
またたいてるんだ
すごくたくさん

月はななめにまっぷたつに切られ
とろりと卵のとうめい膜を溢れさせていた

まるで夜空は星の呼吸と
その何万光年離れた遠いしゃべり声のにぎやか ....
嗚呼なんていう美しさ

刻の暮

大気はすべてを飲みこんでいた

湖は氷りついたように

にび色にゆらめき

鉛の底を這いずる山椒魚のなめらかな体表のように

深く鈍い光の皺が ....
Yahooメールの
1件の未読メッセージがあります
受信箱 (1)
オレンジ色のぎざぎざびかりの
手紙マークは嬉しい驚きだ

でも今日はクリックしてみたら
未読メッセージがない
過 ....
ポッケ、ポッケ、ポッケ
手をしまう
離島の風が駆けていく
明るく抜けた水色が洗濯ものの裏側で
白の階段どこまでもリゾートマンションつづいてく
白いTシャツ後ろ首
小麦の肌にほつれ髪
くりかえした
くりかえした
それで昇った血は体中で冷めていった
闘えという
できないことと
できることが混ざっていて
混沌に私を寝かしつけてしまえばいい
そう何かが足りなくて
何かが食 ....
僕は僕でなくなりたい
私はもういない
ただひとつその場所だけは覚えている
きみとかきみらとか
いくら手をのばしても硝子瓶を通してしか触れることはできない
溶けた硝子の腕を通して見つめる僕は
 ....
金網の上に落ちた
影だけが拾った
空は洗濯物をなびかせる風に運ばれていく
ひとかけの雲が
群青のなか
海を思い出させた
白いシーツがたわんで揺らした影のなか
風穴(ふうけつ)に隠れた兄妹 ....
山木立に薄化粧の雪山は内側からひかっているみたいです

雪粒がアスファルトの道路にすっと吸い込まれて消えていくのは

粉雪が枯木立を縫ってふわんと景色をゆらすのは

新鮮な雪景色ってやつで ....
みずうみ鳶(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
すべての詩場に染む・諦念自由詩105/1/6 5:09
神創世記[group]自由詩005/1/4 6:41
夏卵、カラン [kraan]、からん自由詩005/1/3 19:50
夜は生きている自由詩105/1/3 4:19
刻の暮自由詩105/1/1 21:44
受信箱 (1)未詩・独白105/1/1 19:46
ポケット島未詩・独白205/1/1 5:30
意志の燃料自由詩005/1/1 5:03
眼の中にだけあるもの自由詩204/12/31 22:54
昼寝自由詩104/12/31 20:56
雪うさぎ未詩・独白004/12/31 20:53

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