捕らぬ狸の皮もたまには杖になる
情報の氾濫が恐ろしい
家が一番遠い事もある
音声と文字以外の言語が最も確実
暇つぶしは余計に退屈
これからなのに川の底
写真にまでチューかよ
道ばたで拾った財布の行き先を案じる
自分なき後の世界は明るいはず
もう少しだけ夜更したくなる午前五時
品行方正 謹厳実直 天網恢々疎にして漏らさず
贔屓チームの負け試合は究極の退屈
日も暮れてきた夕飯作ろう
退屈は誰にでも平等でやって来る
吹く風を見た者はおらず
祭りの翌朝散歩をする
懐かしい人との再会帰郷とよく似る
人の見ぬところで何かゞ行われる
うち捨てられたゴミが昔を語る
たまには黙って消えてみよう
砂粒を数えるほどの退屈と諦念
地上で炸裂する美しい花火
面白いことも明日は苦痛
どんなものにも存在がある
これ以上何を考えれば日は暮れる
瞼が重くなる
一瞬の騒音で変わる人生
退屈なときに働く感覚を求め
退屈の波間狭まる
早春の暁に犬の糞踏む
この町は大きいが地下鉄がうるさい
日本が中心の地球儀を探す
会話の順序が気にかゝる
誰も彼もが利己的に見える
楽しい場所が脳裏に浮かぶ
虚空の夢計画通り太りゆく
飽きもせず蛾が電灯に集まる
鳥の立場で物を語るような悟り
シンクロする月の光と風のハミング
目先の退屈に気を取られる
時を超え差出人知らずの手紙が届く
行動に移せぬ苛立ちもある
目覚まし時計に勇気づけられ
時にはポリフォニーに心揺らされる
大蛇に飲まれて明日を知る
退屈はハングルの「口」の中あたり
求めない退屈からは逃げられない
連結しているような花屋の坂
凋落は常に不定形であれ
駄洒落から生まれるものもある
童謡を聴いて泣けてくる
たまにはそんな事もよかろう
写真の色褪せで時代を追う
ごく普通の感覚がそうでなくなる
知らず知らずのうちに色を失う
年下の多い職場は息が詰まる
至らぬ点を看破される
いつまで経っても気づかれない
誤変換で「怪奇月食」
勝手に人物像を作り立てられた
今まさに開いた花に蝶が来る
命の奇跡を見逃した
誰かと入れ替わった事に気がついた
この空いっぱいの蜻蛉どこへ行く
南の山から転げ北の海に流れ着く
サギは白い服着て人を欺す
水の夢を見て泳ぐ
退屈の有り難みを思い知らされる
底まであと何分
水面を見つめ続ける
料理人にも退屈は平等に来る
挨拶が照れくさくて苦手だ
やり残しの仕事が不眠へと誘う
脂っこい地獄の脇を通る
嫌なものから解放されない
何でも科学にすると意気込めた時代
ご尤もな言葉で道をさぐる
ひらがなでも漢字でも六文字の人
他人の退屈は自分の退屈に非ず
教授と友達になる
プラネタリウムでブラックホールを探す
懐かしい歌から逃げおゝせる
過去の退屈は今の郷愁
体育館の声に耳そばだてゝ
夕立とあの雲の行方を誰が知ろう
シムシティの原発でさえメルトダウンする
雪は降れどもいそいそ出かける
夕焼けの鐘もう帰ろうと呼んでいる
元気な街の駅へバスで行く
雨に触れ雨だれに触れ
イカでたこ焼きを作る
河童に似て河童に非ず
トレンチコートを着たウサギの耳が気になる
今日は一日羊頭狗肉
奇しきもの昭和を好む
スリッパの裏側に張り付いたセロテープを剥がす
他人の悩みが降りかゝらぬよう歩み遅め
酔っ払っている時間が勿体ない
経験に従い今日は家に帰る
部屋を出て溜息をつく
男だの女だのにまだ拘るのか
湯船に片足だけ入る
替え玉の前にスープを飲みきる
魅力に欠ける者は己に似ている
二人並んで牛丼を食べた雨の深夜
退屈に任せ明日の掃除をする
怖くて電話ができない
和やかな時が知らぬうちに訪れる
思い込みで現実逃避
他人の鼻歌に苛立つ
しなければならないことが続く
下に積もったものには関心がない
卑怯者が静かに笑う
嫌いな人から逃げる
「みたいな」に溢れる会話
小さく開く掌のまだ柔らかい皺ひとつ
時の過ぎるにいつの日かまめのいくつもつき始め
年輪の如く物語る人生まだ語るに足らず
そっと包んだ我の手の汚れは二度と振り消 ....
詩になる映画を見た夜は
我が言霊も揺すられて
夢など到底見られない
言葉が秘めるその力
感じて夜空を見上げては
明日になるのをじっと待つ
詩になる映画を見た夜は
会えない友を思い出し ....
一里塚 風の中
城への路も野に埋もれ
春も過ぎ 秋も過ぎ
季節も朧な筺の中
宵闇の紐ほどけ
人は流れて散り散りに
窓の下引きずられ
寒さの庭に花もなく
枝のない木を眺め
蝉は ....
川を見て我思う
その源の遠さを
時を隔てゝ巡り会う偶然と
この足で立つ大地の必然
水面の耀きは一瞬たりともとゞまらず
似て非なる形を繰り返す
遠くの雨の記憶
人々が流す汗や涙の記 ....
夢を追いかける
歳じゃないけど
二人でいつまでも
夢を見ていよう
朝のおはようと
夜のおやすみと
うるさいくらいの
鳥の鳴き声
目に届く数多の緑
夢のように行き過ぎるくらい
変 ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
Tonight I hold the high moon
With a song on which should be
Someone fill the sky ....
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