{ルビ銅=あかゞね}の地に影なす禿げ山は峙ち
ひと足もふた足も早く夜を招き入れる
時のか細き尾は見え隠れを続け
遠くより線路の軋む音が届く ....
人魚姫に会いに行きました
淀んだ空の下
冷たい雪を両手に伴い
そういえば
冷たい風も吹いていました
最寄りの駅から1キ ....
月が沈む
呼吸を止めて惰性で滑り降りる
しんとした
虚空の直中
廃墟の階段で
草が揺れる

 ....
一枚の空の色の
濃度の移り行くにつれ
波は静かに寄せ
そして音もなく引いていく

童話の中の
プリオシン海岸
千羽鶴が空の赤い部分へと消え
鉱石ラジオの声は
波の音のように大きく小さ ....
即興詩会(17/07/2006)
順番:沼谷香澄→松本卓也→遊羽→沼谷香澄(敬称略)

「嘘と本当」/松本卓也

ただ少し距離が離れた
瞬間に君が放つ音の無い言葉
抱き合った温もりさえ
 ....
バスでするな
バスで
即興詩会(2006年7月10日)第2ラウンド 
順番:oldsoup→焼石二水→遊羽→原口昇平→oldsoup(敬称略)

「メタリカ、メタルイカ」(oldsoup)

隣の住人が、わたしの ....
即興詩会(2006年7月10日) 
順番 原口昇平→遊羽→焼石二水→(1+1)/4→原口昇平(敬称略)

「芝の王」(原口昇平)

は:
  は、は。はざ、ま
  に。   ひざ、ま
 ....
『{ルビ大浦洞=テポドン} 〜대포동』

南の大浦洞は{ルビ雪嶽山=ソラクサン}の麓
朝日のきれいな穏やかな海岸
夕暮れ時 おでん屋台がせわし ....
「静寂の七夕」(遊羽)

声にならない祈りは 短冊の上
もしくはいつだって曇天の雲の向こう
星もない 花もない
ましてや虹なんて期待できない
誰かの祈りばかりが
狭い門戸へ押しかけていき ....
「ラピスラズリ」/遊羽

祈りを寄せ集め
いやと言うほどつめこんで
これでもかこれでもかと
凝縮し
誰かの掌の上
転がされている
長い長い時間をかけた想いも
莫大な犠牲の上に成り立つ ....
旅人は血
あてどなく彷徨い
訪れる場所に何かを残し
何かを持ち去って
また何処へともなく
去っていく

街というものが
心臓だの肝臓だとすれば
さしずめ僕は
その間を流れゆく
 ....
賑やかな喧噪を
そのまま宵の戸口へと引きずり込む
夕暮れの街角
モスクが近いのか
コーランが時間を教えてくれた

赤すぎる空は
日本のそれとは
明らかに違うように思え
シクロの行き過 ....
美しい風景を見たよ
一面に咲いている白い花が
まるで目眩を誘うように
とびきりの光の奥深くまで華やかで

美しい空を見たよ
ゆっくりと流れていく白い雲が
まるで目眩を誘うように
水面 ....
一面のひまわり畑が見たくて
こゝまで来ました
しかしまだひまわりには
時期が早かったよう

青いひまわり畑の前で
降り出しそうな空を見ていました

ひまわり畑の路端に咲く
たんぽ ....
緑が目にしみます
僕は
捨てなければならぬものを
いくつも背負い込んでは
その捨て場に
迷っています
そのうえ
次から次へと
捨てたくなってしまうものが
増えてしまい
捨てることも ....
イスタンブールの地下鉄は
地上ばかり走っている
アクサライから旧市街へと
銀色の車体は
まるで路面電車のように
地上を走る

髭面で大きな
トルコ人のラッシュの中
日本人 ....
今宵三日月に
金星が近づき
かの異国の旗が
夜空に大きく浮かんでいます
トルコ語はよくわかりません
けれどこゝがどこなのか
それはわかっているつもりです
カラキョイの船乗り場から海峡を渡り
向こうのウ ....
非常に手前味噌なおすすめで恐縮です。

2005年に行いました即興プレ詩会(参加者は私、遊羽と片野晃司さん)の作品をHTML詩集にしました。

http://www.green.dti.ne. ....
眼下の海岸は穏やかな風の中闇に枕し
街灯の乏しき光の中にのみ姿を浮き立たせていた
波の音が立つあたりの闇はまっすぐ空へ続き
そのまゝの姿で星々を泳 ....
少年達は夢を追い 少女達は現実を煙たがり
大人達は遠い目を嫌い 
老人達は空に詰まった糸口を辿り
それぞれに追い求めてゆく

人であるが故の道は
常に交差を繰り返し
人は液体 ....
墓の裏に回る
墓碑銘
一文字ずつ読み取る
故人も知らぬ名前の羅列に
隔たりの強き世界の境
墓の裏に回る
 ....
平和の島
カニバリズムの島
人を喰うことを
習慣としながらも
平和だった島
南の海に浮かぶ
緑豊かな島

ある時 ....
   本当に悲しい音楽は
   マイナーコードでは
   表現できない
   やるせなくなるくらい
   明るいもの
イスタンブールで滞在したホテルは
街の最古 ペラ・パラス
底の抜けそうな木造エレベーターが
客のため息をひく

チェッ ....
ざざざざ
ざざざざざざ
ざざざざざざざざ
ざざざざざざざざざざざざざ
ざざざざざざざ
ざざざざ
ざざざざざ
ざざざざざざざざざ
ざざざざざざざ
ざざざざざざざざざざざざざ
ざざざざ ....
  静かなる心の内の
  乱れ始める波立てゝ
  具象の宙 落ちる雫の色
  手垢のよくついた鈍い色彩
  かき立たされた沈黙の縁に
  芽生えの音にさえ敏感な
  今はひと休みに向かいつ ....
  津軽を旅したのは
  何年もの前の夏のことでした
  闇の中 車を走らせて
  道路が終わる場所まで
  行ってみたかった
  津軽を旅したのは
  それが最後だったかも知れない
  ....
  偉人にだって虫歯があるように
  僕にだって完全な物欲が存在し
  高慢ちきな文人の腹の中に
  どこか崇高で見習うべきところもある
  偉人の虫歯が疼く時
  偉人の脳波に乱れが生ずる ....
遊羽(197)
タイトル カテゴリ Point 日付
銅夜(どうよ)自由詩5*06/12/2 1:37
人魚姫自由詩6*06/11/21 1:59
明日の廃墟自由詩406/10/25 0:49
プリオシン海岸[group]自由詩206/7/25 1:24
突発即興詩会ログ(17/07/2006)自由詩106/7/21 0:47
四国霊場八十八カ所巡礼[group]自由詩5*06/7/20 1:11
突発即興詩会第2ラウンドログ(10/07/2006)自由詩006/7/10 5:15
突発即興詩会ログ(10/07/2006)自由詩006/7/10 5:14
大浦洞 〜대포동自由詩2*06/7/8 3:21
突発即興詩会ログ(01/07/2006)自由詩206/7/6 20:26
突発即興詩会ログ(25/06/2006)自由詩0+06/6/27 3:39
[group]自由詩1*06/6/7 4:56
グダン・ガラムの夕暮れ自由詩0*06/5/30 2:26
夏のハレーション[group]自由詩3*06/5/28 3:23
ひまわり畑の黄色[group]自由詩2*06/5/25 2:41
緑のトンネル[group]自由詩4*06/5/21 2:07
道路をゴロゴロ走る地下鉄電車のこと自由詩2*06/5/16 1:31
異国の旗自由詩3*06/5/14 2:25
海峡自由詩206/5/2 22:43
2005年三浦プレ詩会詩集おすすめリ ...206/4/29 6:43
犬吠埼 2自由詩106/1/29 0:25
故郷を離るゝ歌自由詩106/1/22 22:34
墓の裏自由詩4*06/1/20 1:41
エロマンガ島自由詩8*06/1/13 1:39
悲しい音楽[group]自由詩4*06/1/4 0:12
ペラ・パラス 431号室自由詩1*05/12/26 2:36
潮騒自由詩5*05/12/19 1:38
禮體自由詩1*05/12/13 3:48
津軽自由詩2*05/12/11 14:55
偉人の虫歯自由詩1*05/12/9 3:51

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